Raid2021/06/13

アウディ、2021年ダカールのラインアップを発表

(c)Audi Sport

 2022年のダカール・ラリーに電気ドライブトレインをもつプロトタイプマシンで参戦するアウディは、今月末による参戦マシンの発表を前に、ステファン・ペテランセル、カルロス・サインツ、マティアス・エクストロームというオールスターのドライバーズラインアップを発表した。

 ペテランセルはダカールで14回の優勝経験を誇り、2度のワールドラリーチャンピオンであるサインツはダカールで3回の優勝を経験している。また、エクストロームはDTMや世界ラリークロス選手権などのプロキャリアをアウディで過ごしてきた、まさしくドリームチームだ。

 アウディは、2022年にダカールに初参戦をするためにXレイド・チームのボスであるスヴェン・クワントが率いるQモータースポーツGmbHと提携、電動ドライブトレインをもつプロトタイプマシンの開発を行ってきた。

 アウディ・スポーツGmbHのマネージング・ディレクターであるユリウス・ゼーバッハは次のようにコメントしている。

「これはドリームチームと言っても過言ではない。ステファン(・ペテランセル)は歴代のダカール・ドライバーの中で最も成功したドライバーであり、カルロス(・サインツ)はダカールで何度も優勝し、世界ラリー選手権でもタイトルに輝いている。そして、マティアス(・エクストローム)とアウディは、すでに過去に多くの成功をともにしてきた。彼は、世界で最も多才なドライバーの一人だ」

「彼らは速さに加えて、非常に多くの専門知識とモチベーションをチームにもたらしてくれる。ダカール・ラリーでますます重要な役割を果たす彼らのコドライバーについても同様だ」

 ダカール・ラリーは2021年から新たに電子タブレットによるデジタルロードブックを採用、多くのベテランクルーたちがナビゲーションミスに悩まされるなか、ペテランセルは新しいナビゲーターのエドゥアール・ブーランジェがデジタルロードブックを使いこなしたことが14回目の勝利を勝ち取った重要な要因であると評価していた。

 アウディ・スポーツでファクトリーモータースポーツのプロジェクトマネジメントの責任者を務めるアンドレアス・ルースは次のようにコメントしている。

「ダカールではドライバーとコドライバーで勝負が決まるため、信頼できる強力なチームラインナップをつくることができたと思う。あとは革新的なマシンの開発を終えて、1月のダカールでエネルギー革命を起こす冒険に乗り出せるかは、我々にかかっている」

 今年14回目のダカール優勝を成し遂げたペテランセルは、ふたたびブーランジェとともにアウディの電動パワートレインによる新しい冒険に挑むことを楽しみにしていると語っている。

「ダカールは世界最後の冒険のひとつであり、未来は電動化されるという劇的な変化を迎えようとしている。10年後には誰もが電気自動車に乗っているだろう」と55歳のペテランセルは語った。

「ダカールは、この技術にとって究極のテストとなる。僕らは電動パワートレインでダカール・ラリーを制覇した最初のチームになりたいと思っている。この非常に野心的なプロジェクトに、アウディと一緒に取り組めることを楽しみにしている」

 チーム最年長の59歳のサインツは、これまで3回のダカール・ラリーでの勝利をともにしてきたルーカス・クルスとともに4度目となる栄光へ挑むつもりだと語っている。

「59歳になってもハングリー精神がなければ、このような挑戦はしないだろう。子供の頃からラリードライバーになるのが夢だったし、私の情熱は変わらない」とサインツは語った。

「かつてアウディ・クワトロは、世界ラリー選手権を一変させたが、ダカール・ラリーでも同じようなことを挑んでみようと思っている。ダカールは電動パワートレインにとって究極の挑戦となる。極限に挑む素晴らしいプロジェクトだ」

「ダカールは、他のカテゴリーのレースに比べてエンジニアリングの自由度が非常に高い。私はアウディのエンジニアを全面的に信頼しており、自分の経験を生かして、速くて成功するマシンを開発するために彼らを助けたいと思っている」

 2度のDTM王者で世界ラリークロス選手権のタイトルを持つエクストロームは、2021年は新たにスタートするエクストリームEへの挑戦している。彼は今年のダカールにXレイド・ヤマハのバギーで初参戦しており、そのときのナビゲーターだったエミル・ベルクビストと2022年のダカールに挑む。

「今回のダカールは、自分のキャリアで最もエキサイティングな冒険になるはずだ」とエクストロームは語った。

「このエキサイティングなプロジェクトに、幾多の成功をともにしてきたアウディで挑むことができるのは実に光栄だ。僕は今年43歳になるが、カルロスやステファンと比べたらジュニアのようなものだ。ダカールでは、すべての面で豊富な経験が必要になる。僕はこれから学ばなくてはならないことがたくさんあるが、冒険を心から楽しみにしているよ」