スコットランド出身のアリスター・マクレーは、先週末にニュージーランドのノース・カンタベリーで開催されたアシュリー・フォレスト・ラリースプリントで、故ポッサム・ボーンが駆った1998年のヒストリックマシン、スバル・インプレッサWRCをドライブして優勝を飾った。ニュージーランド出身以外の外国人ドライバーが勝利したのは、イベントの35年間の歴史の中で初めてのことだ。
コリン・マクレーの弟であるアリスターは、元ヒュンダイ・ワークスでWRCを走ったこともある現在はオーストラリアを拠点として活動を行っており、ラリー・トルコで表彰台を獲得したばかりのヘイデン・パッドンとの新旧ドライバー対決が注目されたが、パッドンのヒュンダイi20 AP4++がトラブルに見舞われたため、アリスターが勝利することになった。
アシュリー・フォレスト・ラリースプリントは55%の上り坂と45%の下り坂の1.7kmコースを特徴とするラリースプリントの決勝戦で、マクレーは観客が息をのんで見守るなか55.35秒のタイムを記録、ライバルとして勝ち抜いてきたブレナム出身のニール・ウェストが駆るランサーエボリューションのエンジンとトランスミッションを装着した三菱ミラージュを下して優勝を飾った。
ウェストは息子のジャックをコドライバーに据え、非常に安定した走りを見せたが、タイムは56.04秒で、勝利には届かなかった。マクレーの勝利が決まった瞬間、ヴァンテージチームとスバル・サポーターから歓声が沸き起こった。
マクレーはNZの地で4度目の勝利を獲得できて「天にも昇る気持ちだ」と語った。彼はこれまでに2015年のレース・トゥ・ザ・スカイ、2016年と2017年のリードフット・フェスティバルで勝利している。
「再び勝利できて素晴らしい気持ちだ。このマシンを作ってくれたスピードハブ、そしてヴァンテージやスバル、ニュージーランドのために嬉しいよ。なぜならこれは、ポッサムのマシンだからね。勝利した最初の外国人という肩書きも、悪くないね!」
アリスターの最終走行は完璧ではなかったが、勝利には十分だった。
「最終走行はミスをしたくないので常に難しいものだが、それを少し感じた。
僕たちは頂上へ向けて本当に良い走りを見せたが、最後から2番目の下り坂のコーナーでは調子が合わず少しタイムを落としたが、あまりに多くのタイムを失わずに済んだ」とマクレーは語った。
パッドンは、いつものニュージーランド選手権を走るマシンをエアロで武装、エンジンを680馬力を誇る2.1リッターターボに換装した特別仕様のi20 AP4++を駆り、2日間のイベントで一番手タイムを何度か記録したが、最終日にマシンのオイルフィルターが飛び散ってエンジンパワーを失い、なんとかフィニッシュラインを通過したが、トップ8に終わった。
「残念ながら、エンジンの故障によって、今年は勝利できなかった。オイルフィルターの問題によってすべてのオイルが漏れ出てしまい、お仕舞いとなった。また僕たちは昨日抱えていたギヤシフトの問題をようやく解決した後だったので、最終日は1回もクリーンな走行を行なうことができず残念だったよ」