カタール・インターナショナル・ラリーには今年もヨーロッパのトップドライバーたちが挑んだが、地元のナッサー-アル・アッティーヤを破ることはできなかった。
カタール・インターナショナル・ラリーは、ダカールで2連勝を飾ったアル-アッティーヤが中東選手権開幕戦のオマーン・ラリーではクラッシュで3位に終わったあと、祖国カタールで行われるホームイベントで、ヨーロッパの強豪ドライバーを相手にどのような戦いをするのか注目をされることになった。
カタールでは過去、アル・アッティーヤが16勝を飾っているが、彼がここで優勝をし続けることを望まない何者かが、今年もアンドレアス・ミケルセン、マッズ・オストベルグ、そしてERC王者のエミル・リンドホルムの3人のためにスポーツ・レーシング・テクノロジーズ(SRT)のシュコダ・ファビアRally2エボを準備することになった。
クリス・ミークが2021年と2022年、そしてオストベルグも2022年にアル-アッティーヤの打倒を目指したが、絶対王者の前にそれは叶わなかった。
今年も木曜日の夜にミケルセンがトップタイムでリードを奪ったが、彼は金曜日がスタートすると早々に砂漠のステージで輝きが色あせてしまったように失速、さらにパンクによって優勝戦線から脱落することになった。
ミケルセンに代わってオストベルグがアル-アッティーヤに挑み、2度にわたってベストタイムを奪ったが、SS5のパンクによってペースダウン、アル-アッティーヤがフロントバンパーを失うトラブルに見舞われながらも8.1秒差をつけて初日をトップで折り返すことになった。
「明日はコースオープナーとして走らないよう初日は2位で行く計画だった」と語っていたオストベルグは、最終日の朝、予定どおりにペースをアップ、SS9のベストタイムでアル-アッティーヤをパスして首位に立つことに成功、その後も2つめのトップタイムを奪ったが、最終ステージでのミスもあって、結局、アル-アッティーヤを止めることはできなかった。
アル-アッティーヤは最終的に、12.2秒にリードを広げて17回目の母国ラウンド勝利となった。
「勝ててとてもうれしい。この週末は素晴らしいものだった」とアル-アッティーヤは語った。「初日と同じように最終日もミスをしないように心がけ、午後はハードにプッシュした。マッズとの戦いは厳しかったが、最終ステージのスタートで失うものは何もなかった。17回優勝するのは簡単なことじゃないよ」
オストベルグは2日間のバトルを楽しみ、勝者の砂漠ステージの理解度には叶わなかったと認めた。
「素晴らしい戦いだったことは間違いない。でも、ナッサーがずっとコントロールしていたような気がするよ。すべてを出し尽くしたが、僕らがナッサーにストレスを与えることができたのはたった1回だったんじゃないかな。彼は砂漠を知り尽くしている。そして僕らにはまだ少し経験が不足している」
1分37秒遅れの3位に終わったミケルセンは、まだまだ学ぶべきことがあると認めている。
「3位という結果は、ここに来るのが初めてだった僕らにとっては最高の結果だと思う。FIAの新しいレギュレーションに従って、もっと道に沿って走ることを期待していたが、まだ多くのカットが行われていた。僕にはドライビングを調整する必要があるが、戦いを終えてからでは遅すぎる」
ミケルセンと同じく初めてカタールに出場したリンドホルムは、さらに28.7秒差で表彰台にはとどかなかった。