ERC2017/06/19

アル-アッティーヤ、キプロスで5度目の勝利

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 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦キプロス・ラリーは18日に最終日を迎え、ナッサー・アル-アッティーヤ(フォード・フィエスタR5)が優勝を飾ることになった。またアル-アッティーヤは併催される中東ラリー選手権でも今季2勝目を飾ることになり、選手権リーダーに躍り出すことになった。


 過酷なグラベルと砂が乗ったトリッキーなターマックのミックスステージで争われるキプロス・ラリーは、初日、選手権リーダーのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)、ERC王者のカイエタン・カイエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)が同じコーナーで崖下に転落したほか、予選で一番時計を叩き出したラトビアのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)がラジエータを壊してマシンを止めるなどサバイバルの様相を呈しているなかで、過去4回キプロスで優勝を経験しているアル-アッティーヤが余裕の走りをみせて、早くも独走態勢を築くことになった。

 後続に3分19秒の差をつけて最終日をスタートすることになったアル-アッティーヤは、困難なステージでは集中力を切らせないことが重要だと語っていたが、この日も前走者の巻き上げるダストに悩まされつつも堅実なペースを終始、守り切ってフィニッシュ、最終的にリードを6分12秒まで広げる圧勝を飾ることになった。

 キプロス出身のサイモス・ガラタリオティス(三菱ランサーエボリューションX R4)が最終日に逆転で2位フィニッシュ、初のERC表彰台に立つことになった。わずか7.5秒差の3位もキプロス出身のパニコフ・ポリカウポウ(三菱ランサーエボリューションIX)が続くことになった。

 昨日まで2位につけていたアレクサンドロス・ソウロフタス(シトロエンDS3 R5)はダブルパンクで9位に終わることになった。

 また初日にコースオフしてリタイアしたマガラエスは横転したマシンのダメージが酷かったために最終日のリスタートを断念することになったが、同じ場所で崖下に落ちたカイエタノビッチは幸いにも修理を行って最終日をラリー2でリスタート、総合では15位に終わったものの、レグ2ではトップでフィニッシュ、貴重なレグポイントとして7ポイントを獲得して選手権リーダーのマガラエスに14ポイント差に迫っている。

 また、アル-アッティーヤは最終の2つのステージの合計タイムで競われるラブ・キプロス・ゴールデンステージでもカイエタノビッチを0.3秒差で下して10,000ユーロのボーナスを獲得している。