WRC2021/01/14

アークティック・ラリーのWRC開催が決定

(c)wrc.com/WRC Promotor

 WRCプロモーターは、2月26〜28日にフィンランドで開催されるアークティック・ラリー・フィンランドを2021年の世界ラリー選手権カレンダーに追加することを正式に発表した。

 WRCで唯一のフルスノーイベントだったラリー・スウェーデンが新型コロナウイルスの感染拡大にともなって中止となったことを受け、フィンランド最北のラップランド州の州都であるロヴァニエミを拠点としてウィンターコンディションで行われるフィンランド第二のWRCが誕生することになった。

 フィンランドでは7月29日〜8月1日には高速グラベル戦のラリー・フィンランドがユバスキラを拠点に開催されることになっており、北極圏のすぐ外側に位置しているロヴァニエミを拠点に争われるアークティック・ラリー・フィンランドは2月のこの時期には気温が−30℃を下回ることもあるなかで開催されることになる。

 アークティック・ラリー・フィンランドは2月26日金曜日の朝にシェイクダウンが行われ、夕方からスペシャルステージが始まり、27日土曜日は3SSを2ループ、28日日曜日を走ったあと最後のパワーステージで締めくくられる。総ステージは10SS、およそ260kmで争われる。

 ラリーは、フィンランド国内、地元、FIAの新型コロナウイルスの感染防止対策従って行われることになり、主催者はファンの観戦を認めるかどうかについてはこうした手順に従って今後決定することになる。

 WRCプロモーターのマネージングディレクターであるヨナ・シーベルは、プロモーターのAKKスポーツが急遽開催に踏み切ったことを称賛している。

「12月にラリー・スウェーデンが開催されないことが決定して以来、私たちはAKKスポーツ、ロヴァニエミ市、そして現地のファンと協力して、このイベントを実現させようと懸命に努力してきた。時間との戦いだったが、関係者の皆さんに感謝している」とシーベルは語った。

「ラリーのスタートまで44日間しかないが、AKKは伝統的な夏のラリー・フィンランドと同等の高水準を確保するために、あらゆる手段を惜しまないと確信している」

「ウインターイベントは、このスポーツの中でも最も壮観なアクションを提供する。フルスノーの冬のワンダーランド、道路に脇にそそり立つ大きなスノーバンクにマシンを当てながら高速で走るシーンにはドライバーなら誰もが憧れる夢だ。素晴らしいタイミングで開催されるよ!」

 AKKスポーツのCEO、リク・ビッテルは、ロヴァニエミがWRC開催の計画をすぐに決定したことを喜んでいる。

「私たちはこの問題があったときにすぐに計画を調査し、可能性を探ることに着手した。様々な選択肢があった中で、ロヴァニエミは、冬のラリー開催に確固たる文化があり、国際的なイベント都市としての評判が高く、熱心で経験豊富なラリー運営に関わるスタッフが多数いることから、その中でも特に注目されていた。受け入れてくれたことに感謝したい」

 FIAのラリーディレクター、イヴ・マトンはWRCに新しいウインターイベントが誕生したことを歓迎している。

「私たちに夢を与えてくれた地域でのラリーを楽しみにしている。残念ながらラリー・スウェーデンが中止となったが、タイトなスケジュールで新しいラリーの開催を決定した主催者AKKの決意は、挑戦にはチャンスがあることを証明している」

「AKKと主催者チームの献身的な取り組み、プロフェッショナリズム、そして短期間で第2のWRCフィンランド・ラウンドを実現させてくれた決意に感謝したい。この新しいラウンドの成功のために、私たちは全力でサポートしていきたい」とマトンは締めくくっている。