WORLDWIDE2018/03/27

イタリア開幕戦で4位の勝田「成長を証明できた」

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 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムで欧州挑戦中の勝田貴元と新井大輝が、3月23〜24 日に開催されたイタリア・ラリー選手権の開幕戦ラリー・イル・チョッコに参戦、勝田が総合4位、新井が総合6位でフィニッシュを果たした。

 勝田と新井にとって今シーズン初のターマック・ラリーとなったラリー・イル・チョッコは、イタリア・トスカーナ地方の高速で滑りやすい道を舞台に15SS/153.91kmで競われた。二人のこのラリーへの参戦は昨年に続き2度目となり、昨年はR2マシンでの参戦だったが、今年はフォード・フィエスタR5で参戦し、経験豊富な多くの地元ドライバーたちに交じりトップカテゴリーで戦うことになった。

 勝田/マルコ・サルミネン組は終始安定した走行でSS4からSS12まで5位をキ−プ。SS13で順位を一つ下げたものの、SS14で再度5位に浮上すると、最終のSS15では3番手タイムを記録し、最終的に総合4位でラリーを終えることになった。

 新井/グレン・マクニール組はブレーキペダルのフィーリングに悩ませられる場面もあったが、それ以外は安定した走行を貫き6位で完走。日本人ドライバー二人が常に上位争いに加わり接戦を繰り広げ、両ドライバーともに難しいステージをミスなく走りきっている。

 勝田は、次のラリー・ド・フランスに向けて良い練習になったと語っている。

「結果には満足しています。とくに最終ステージでトップと1.3秒差というタイムが出せ、順位を上げられたことはとてもうれしかった。成長を証明できたと思います」と勝田。

「R5マシンでのターマックの経験はまだ少ないので、このラリーを通して多くのことを学べましたし、次のラリー・ド・フランスに向けた良い練習にもなりました。ターマックでのペースノートとドライビングはまだ改善すべき点があります。ときどきアグレッシブになりすぎるので、もっとスムーズな運転をしなければならないと思っています」

 また、新井はブレーキトラブルに悩みながらも全体に満足できるラリーだったとふり返った。

「全体的には満足いくラリーでしたが、ブレーキペダルのストロークが安定しなかったことについては少しフラストレーションがたまりました。ペダルのフィーリングがコーナー毎に違ったのでブレーキの調整をし続けなければなりませんでした」と新井。

「ですが、それ以外についてはうまくいったと思います。ドライビングも常によくなっています。道の使い方を学ぶことができたので次戦に役立てたいと思います」

 チーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは、ラリーの前にイタリアで行われたターマックテストには、フィンランド出身の元WRCドライバーであるミッコ・ヒルボネンがドライビング講師として参加して二人に実戦に繋がるアドバイスを行ったと明かした。

「勝田と新井はラリー・フランスに向けてとても良いラリーができた。ミッコ・ヒルボネンが参加した事前テストでは、二人はヒルボネンから実戦に繋がるアドバイスを受けて新しい発見をし、本番ではターマックでの運転の感覚を掴んで改善するという我々の計画通りにラリーを進めることになった。両ドライバーが最後までミスなくきれいな走りをし、結果にもつながったことをとてもうれしく思う」

 勝田と新井の次戦は4月5〜8日にターマックラウンドとして開催されるFIA世界ラリー選手権第4戦ツール・ド・コルスとなり、ふたたびフォード・フィエスタR5での参戦となる。