WRC2020/08/19

イープル・ラリーが今季WRCカレンダーに追加

(c)RedBull Content Pool

 FIAとWRCプロモーターは、2020年のカレンダーに新たにイープル・ラリーが追加され、世界ラリー選手権が初めてベルギーで開催されることになったことを発表した。ベルギーは1973年にWRCが誕生して以来、34カ国目のWRC開催国となる。

 イープル・ラリーは、新型コロナウイルスの流行による日本政府の入国制限政策によって今季のキャンセルを決断したラリー・ジャパンに置き換わることになり、11月19-22日に今季の最終戦として開催される。

 イープル・ラリーは1965年に初めて開催され、ヨーロッパで最も過酷なターマックラリーの一戦として定着している。これまでの優勝者には、地元のティエリー・ヌーヴィル(2018年)やチームメイトのクレイグ・ブリーン(2019年)などがいる。

 今季のイープル・ラリーは、3日間の全日程で約300kmのスペシャルステージが展開される予定となっており、金曜日と土曜日はイープル市の中心部にある歴史あるグローテ・マルクト広場におかれるサービスパークをハブとして2日間の競技が行われたあと、日曜日の最終レグには、スパ・フランコルシャンサーキットを中心にした舞台が予定され、有名なオー・ルージュ/ライディヨンをコースに含むパワーステージが計画されている。

 WRCプロモーターのイベント担当シニアディレクター、サイモン・ラーキンは、このラリーは競技者にとってユニークなステージになると語った。

「イープルは長年、ヨーロッパ・ラリー選手権の礎となる人気の高いラリーだった。WRCへの昇格は、2020年シーズンのフィナーレを飾るにふさわしい、今年一年で最も厳しい試練の一つとなるだろう」

「狭いアスファルトレーンと大きな溝が混在するトリッキーなコースで、暗闇の中でのステージもあれば、悪天候の可能性もあり、ファンにはスリルと感動を与えてくれるだろう」

 FIAラリーディレクターのイヴ・マトンは次のように語った。

「今年のラリージャパンがパンデミックのために開催されないことは、日本の関係者たち、JAF、そして主催者たちは懸命に取り組んできただけに非常に残念に思っている。彼らの尽力には感謝している」

「ベルギーにはラリーの伝統と情熱があり、WRCではドライバー、メカニック、チーム代表、ジャーナリストなど様々な役割を担っているベルギー人が多くいる。このルートは、ベルギーのモータースポーツを象徴する2つの会場であるイープルとスパ・フランコルシャンを結ぶことで、国内を横断するラリーのDNAを示すことになるはずだ」

 イープルのプロモーターであるクラブ・スーパーステージの理事会メンバーであるヤン・ウイゲは、ベルギーでWRCラウンドを開催することはクラブの野望であったと語った。

「主催者として常に最高のレベルに到達したいと考えていただけに大変名誉に思う。イープル・ラリーは組織と安全性の面で確固たる評価を得ており、イープル市は56年前からラリーの遺伝子を受け継いでいる。ラリーはこの地域に欠かせないものであり、独自な歴史的背景をもつなかでラリーを開催するために、市から多くの支援と施設を受けている」

■2020年WRCカレンダー改訂版(8月19日現在)
第1戦 モンテカルロ(1月23-26日)
第2戦 スウェーデン(2月13-16日)
第3戦 メキシコ(3月12-15日)
第4戦 エストニア(9月4-6日)
第5戦 トルコ(9月18-20日)
第6戦 ドイツ(10月15-18日)
第7戦 イタリア(10月29日-11月1日)
第8戦 ベルギー(11月19-22日)