WRC2018/02/20

ウィルソン、戦略は不利被ったオジエを救うため

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 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのマルコム・ウィルソンは、ラリー・スウェーデンにおいて不利な戦いを強いられたセバスチャン・オジエを救済するためにチームとして彼にポイント獲得の最大限のチャンスをつくったと最終日のチーム戦略について説明した。

 ラリー・モンテカルロの勝者となったオジエは、金曜日の朝、ステージの雪かきがなされなかったため表面を覆った新雪を掃除する役目を負わされて12位に沈むことになった。リバースでスタートする二日目も彼は2番手でコースの掃除をすることになったに挽回するチャンスはなく、総合10位で迎えた最終日も早い走行順でスタートするためパワーステージでのボーナス獲得も不可能となった。

 そのためオジエは最終ステージのタイムコントロールに遅着、これにより彼は4分10秒ものペナルティを受けて総合11位に後退、ドライバーズ選手権の1ポイントを犠牲にしてまでWRC2ドライバーのあとでパワーステージを走行する戦略を成功させ、2番手タイムによって4ポイントのボーナスを獲得した。

 だが、さらにチームはこれで10位にくりあがったエルフィン・エヴァンスを最後のTCに遅着させ、ふたたびオジエの順位を10位にもどしてフィニッシュさせている。これでオジエはラリー・スウェーデンで合計5ポイントを獲得、ドライバーズ選手権リーダーのティエリー・ヌーヴィルから10ポイント差の31ポイントとなっている。

「このイベントは難しくなると思っていたが、とくに金曜日のステージは新鮮な雪が路面にあったので、我々は予想以上に大きな不利に直面することになった」とウィルソンは説明した。

「我々は何も失うことなく何かを救済しなければならなかった。だからチームはセバスチャン(・オジエ)の最終ステージのスタートを遅らせることを決め、いくつかのポイントを確保することと同等のチャンスを与えることになった」

「私たちは全員、セブがパワーステージで2番手のタイムを獲得したことに励まされた。タイトル防衛のために4ポイントを追加するとともに、我々のマシンが速く、天候だけが味方をしてくれなかったことを証明してくれたからね」

 オジエは、スタート前から表彰台の争いさえ不可能だったと語り、選手権のためにもポイントを獲得するというチームの戦略に従ったと説明した。

「これはチームの戦略だった。僕たちの出走順ではボーナスポイント獲得のチャンスがなかった。僕たちは作戦を練って、好ましい出走順を得ることにした」とオジエは語った。

「もう何年もの間、僕は走行のポジションに関するさまざまなルールと戦ってきた。結局のところ、これは世界選手権で、誰もがベストを尽くして、誰もがどんなことをしてでも選手権のポイントを獲得しようと挑んでいる世界だ。少なくともパワーステージではいくつかのポイントを獲得できるチャンスがあった。優勝やポディウムのために戦うほうがよかったが、現実には最初から不可能なコンディションだった」