RallyCross2017/05/08

エクストローム、ドイツRXを制して開幕3連勝

(c)FIAWorldRallycross.com

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 2017年FIA世界ラリークロス選手権第3戦ホッケンハイムRXは日曜日にファイナルレースが行われ、見事なスタートをみせたEKSチームのマティアス・エクストローム(アウディS1 EKS RXクアトロ)がそのままトップで逃げ切り、開幕から3連勝を獲得することになった。

 雨によってウェットコンディションとなった最終日、朝から行われたセミファイナルは2日間にわたる予選を優位に進めてきたチーム・プジョー・ハンセン勢にとって予期せぬ展開となった。グラベルセクションに水たまりのある難しいコンディションとなったセミファイナル・レース1では、予選トップのセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)がオープニングラップに苦戦するなか、ヨハン・クリストファーソン(VWポロGTI RX)の逆転を許し、クリストファーソンがファイナルのポールポジションを奪うことになった。ローブはさらにペター・ソルベルグ(VWポロGTI RX)にも抜かれ、ファイナルでは3列目のグリッドからのスタートとなってしまった。

 また、セミファイナル・レース2では予選2位のティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)がリードしたものの、最終ラップでミスを犯し、2日間にわたって行われた予選を4位で通過したエクストロームは運にも味方されてファイナルのフロントローを獲得することになった。

 そしてファイナルではクリストファーソンがスタートで出遅れるなかエクストロームが快心のスタートで1コーナーをトップでクリア、クリストファーソンはエクストロームに食い下がるものの、ミスのない走りで6ラップを走りきったエクストロームが優勝を飾ることになった。

「素晴らしい勝利になった。チームのみんなの努力が報われたよ」とエクストロームは語った。彼は金曜日の予選初日は9位、土曜日は2つの予選ヒートともに3番手タイムでフィニッシュ、予選4位まで挽回することになった。

「僕らは金曜日と土曜日はいくつかの問題を抱えていた。さらに僕は(ホッケンハイムで併催される)DTMにも出場しなければならないため、チームとの時間をあまり作ることができず、これらの問題解決のために手助けすることができなかった。しかし、チームは金曜日の夜から作業に燃えて素晴らしい仕事を成し遂げたよ」

 DTMの予選が始まるため、世界ラリークロス選手権のゴールを大急ぎであとにして自転車でパドックへと向かったエクストロームに代わって、チームメイトのトピ・ヘイッキネン(アウディS1 EKS RXクアトロ)が語った。彼もまた予選初日は13位と出遅れたが、今季初のファイナル進出を果たして、6位でフィニッシュしている。

「金曜日は本当に厳しい一日となったので、チームとしては一晩がかかりで重要な作業を行うことになった。チームはほとんど寝ないままレースウィークを戦うことになった。マティアスはいつも完璧なマシンになるまで変更が行われることを臨むんだ。しかし、大変だったけど、その努力がこうして報われたよ」

 2位に終わったクリストファーソンも、エクストロームの勝利を讃えている。

「ファイナルでマティアスが非常にいいスタートをみせた。僕はずっと彼にプレッシャーを掛けてチャンスを待ち続けたが、彼は6ラップで1度をミスを犯さなかったよ」とクリストファーソン。彼は16ポイント差でドライバーズ選手権で2位につけるほか、PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンがチーム選手権でのリードを17ポイントへと広げたことを喜んでいる。

「僕はQ1とQ2ではマシンバランスに苦しんだが、土曜日以降フィーリングがよくなり、セミファイナルでもセバスチャン(・ローブ)といい競争ができた。僕らのチームにとってもペター(・ソルベルグ)と僕自身がファイナルに進んでチーム選手権のリードを維持できているので、それがなによりの週末になったよ」

 ティミー・ハンセンは今季初のポディウムとなる3位でフィニッシュ、ソルベルグは大混戦となったスタート直後の1コーナーでローブを抜いて4位につけたが、ハンセンを捕らえるまでにはいたらずに4位でゴールを迎えることになった。ローブは完璧な予選だったにもかかわらず、ファイナルは5位となっている。