WRC2023/01/30

エクストロームがROC チャンピオンズで優勝

(c)ROC

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 世界ラリークロス選手権のダブルチャンピオンであるマティアス・エクストロームがグランドファイナルでミック・シューマッハを破り、ROC チャンピオンズで史上最多となる4階目の優勝を果たすことになった。

 スウェーデンのピテ・ハブスバッドで行われたレース・オブ・チャンピオンズは、土曜日にROCネイションズカップでペターとオリヴァーのソルベルグ親子が2年連続でチーム・ノルウェーのタイトルを獲得したあと、最終日には個人戦のROC チャンピオンズが開催された。

 ROCチャンピオンズには、F1、F2、インディカー、ル・マン、Wシリーズ、WRC、ワールドラリークロス、Xゲームなどで名を馳せた17名の世界的なドライバーたちが、ROCの象徴であるクロスオーバーブリッジを備えた氷のパラレルトラックで直接対決を繰り広げた。

 オリヴァー・ソルベルグは、チーム・ノルウェーとしてROCネイションズカップを父ペターとともに制して初日のヒーローになったが、二人はこの日の個人戦では1回戦で対戦することになった。オリヴァーは、現役ドライバーとしてのプライドを守るように父から勝利を飾ったが、初戦でROCチャンピオンのセバスチャン・ローブを破ったティエリー・ヌーヴィルとの対戦となった2回戦で敗退することになった。

 しかし、ヌーヴィルは残念ながら、準決勝でエクストロームに敗れて、惜しくもファイナル進出を逃し、4度のF1チャンピオンに輝いているセバスチャン・ベッテルに劇的な勝利を飾ったメルセデスAMG F1リザーブドライバーのミック・シューマッハがエクストロームとファイナルで対戦することになった。

 そして迎えたグランドファイナルで、エクストロームはシューマッハを2ヒート差で破り、モータースポーツ界の偉大なドライバーたちを抑えてROC チャンピオンズのタイトルを手にすることになった。

 エクストロームは、2007年にロンドンのウェンブリー・スタジアム、そして2009年に北京のオリンピックスタジアムで行われたROC チャンピオンズでは、ミックの父親ミハエルと対戦して勝利を飾っていただけに、感動のフィナーレとなったことを認めた。

「僕は、ロンドンと北京でミハエル・シューマッハと2回決勝に臨んだ。ミハエルは、その献身的な努力と才能において、常に私が最も尊敬する人物の一人だった。ミックはとても大きな才能の持ち主で、彼の時代はこれからなので、これからのバトルが楽しみだよ。僕が負けるのはそう先のことではないだろうね」

 エクストロームはこれで、フランス出身のWRCチャンピオンのディディエ・オリオールやセバスチャン・ローブが保持しているROCチャンピオンズ4勝に並ぶことになった。

 シューマッハはこう付け加えた。「マティアス、おめでとう! そして優しい言葉をありがとう。彼は並外れたドライバーで、それが本当に証明された。彼はこの週末を通して素晴らしい仕事をした。僕はベストを尽くしていたけど、それだけでは足りなかった。サーキットレースで僕らがやっていることとマティアスがやっていることはまったく違っていた。来年は、彼に負けないような走りをしたいね」