RallyCross2016/09/19

エクストローム今季4勝目、選手権リーダー奪還

(c)FIAWorldRallycross.com

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 バルセロナで行われた世界ラリークロス選手権第9戦のスペイン・ラウンドのファイナルレースでEKS RXチームのマティアス・エクストローム(アウディS1 RX)が今季4勝目を飾り、ペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)を逆転して選手権リーダーに返り咲いた。

 スペインRXの最終日は、選手権リーダーのソルベルグは大荒れとなったセミファイナルで後続のマシンにプッシュされてオフ、そしてこれまで好調の波を維持していたセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)も3位争いのさなかにタイヤバリアに激突してフロントサスペンションを壊してマシンをストップ、そろってセミファイナルで敗退するという波乱が続出することになった。

 混乱が続出するなか、予選3位で勝ち上がってきたエクストロームがファイナルレースのポールポジションを獲得、スターティンググリッドの最前列にはセミファイナルでの激しい首位争いをあざ笑うかのように最後列からトップフィニッシュをみせたロシアのティムール・ティメルジャーノフ(フォード・フィエスタST)が並ぶことになった。

 ファイナルレースではクリーンなスタートを決めたエクストロームが一番手で1コーナーをクリア、ティメルジャーノフがそれに続き、その後方では予選トップのティミー・ハンセン(プジョー208WRX)とQ3とQ4を制して予選2位で勝ち上がってきたヨハン・クリストファーソン(VWポロ)によるめまぐるしい攻防が繰り広げられることになった。

 レースはエクストロームがそのまま独走、ティメルジャーノフも安定した速さをみせて4周目までラップを重ね、2年ぶりの表彰台に大きく近づいたかにみえた。しかし、5周目にすばらしいジョーカーラップを決めたハンセンがティメルジャーノフをパスして2位に浮上、またティメルジャーノフは最終ラップのヘアピンでミス、クリストファーソンが3位でゴールを迎えている。しかし、レース後にクリストファーソンがパスする際にプッシュしたとして失格の裁定が下ることになり、ティメルジャーノフが3位となり、初のファイナル進出となったヤニス・バウマニスが4位で続いたため、ワールドラリークロス・チーム・オーストラリアの2台のフォード・フィエスタSTが3、4位で続くことになった。

 今季4勝目を飾ったエクストロームは、5ポイントのビハインドだった選手権をひっくりかえし、ソルベルグに10ポイント差をつけて選手権をリードすることになった。しかし、エクストロームは来月、ドイツで行われるブクステフーデDTMに出場する予定となっているため、日程が重なる次戦ラトビアRXを欠場する可能性があるようだ。

「本当に素晴らしい勝利だったね、ラリークロスに勝利するといつも笑顔になるよ」とエクストローム。

「ブクステフーデのエントリー締切は来週なんだ。僕は15年間DTMレースを一度も欠場したことがないので大きな議論になるだろう。明日の朝、ボスと話してどうなるか様子を見ることになる」

 初のファイナル進出となったヤニス・バウマニス(フォード・フィエスタST)が4位、ロビン・ラーソン(アウディA1)はメカニカルトラブルのために5周目にマシンを止めることになっている。
 
 4戦連続で表彰台に立っているアンドレアス・バックルド(フォード・フォーカスRS RX)はセミファイナルの1コーナーでワイドになったところを後続に次々とパスされてしまいファイナルを逃している。

 また、世界ラリークロス選手権と併催されるヨーロッパ・ラリークロス選手権は第4戦を迎え、ハンセン・ファミリーの末っ子のケヴィン・ハンセン(プジョー208 WRX)が4戦全勝で最終戦を待たずに2016年のチャンピオンを決定している。