WRC2021/06/24

オジエ、サファリ・シェイクダウンで最速

(c)Toyota

(c)Hyundai

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 2021年世界ラリー選手権第6戦サファリ・ラリー・ケニアのシェイクダウンが水曜日の午後に行われ、セバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が3分42.6秒のトップタイムをマーク、エルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が0.1秒差の2番手で続き、トヨタGAZOOレーシングWRTが1-2を占めることになった。

 19年ぶりに世界ラリー選手権に帰ってきたサファリ・ラリーはナイバシャ湖を見下ろす5.15kmのロルディア・ステージで行われたシェイクダウンで戦いの幕を開けることになった。サファリはすべてのドライバーにとって初めての戦いとなるものの、ケニアでのテストはルールで認められていないため、いつものラウンド以上にシェイクダウンは大きな意味をもつことになる。

 各チームはスペインなどでサファリを想定したプレテストを行ったものの、シェイクダウンのステージは、これから数日間にわたってドライバーたちが直面する過酷な道を知る唯一の機会であり、明日以降にむけてセッティングを詰めながら競技のスピードでステージを理解するためにドライバーたちは繰り返し走行を行っている。

 一回目の走行でトップタイムを奪ったのはヒュンダイのダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)。一番手のポジションで走行したオジエはルースグラベルに苦しんでソルドから6.1秒も遅れた5番手タイムでのスタートとなったが、2回目の走行では3番手タイムへとタイムを伸ばし、3回目の走行ではソルドを0.6秒上回る暫定トップタイムをマークすることになった。

 ソルドが3回の走行を終えて暫定2番手タイムでシェイクダウンを切り上げるなか、オジエはさらに4回目の走行を行って自身のタイムを1.3秒上回り、シェイクダウンの最速タイムを更新することになった。ドライバーズ選手権ではオジエの11ポイント差につけるエヴァンスは、3回目の走行ではソルドに次いで3番手につけていたが、彼も4回目の走行でタイムを伸ばしてチームメイトから0.1秒差の2番手タイムにぴたりとつけることになった。

「大きな挑戦であり、厳しい週末になることはわかっている。僕にとっての最大の課題は、良いリズムを見つけることだが、いくつかのパートではプッシュすることができそうだ」とオジエは語った。

「初めてのラリーになるが、レッキもうまくいったし、これまでは順調にきている。シェイクダウンもサファリを代表する典型的な路面だったので、少しずつテストをして、ラリーに向けてセットアップを調整することができた。準備はうまくできたと思うが、本当に十分な準備ができているのか、走ってみないとわからない。今週末は、いつも以上に賢くならなければならないことは確かだ」

 エヴァンスは、チームメイトと同様に4回目の走行でベストタイムを記録、ラリーへの手応えを感じてシェイクダウンを締めくくっている。「かなり過酷なコンディションなので、どんなことが起こるか楽しみだよ」

 2回目の走行では一時暫定トップタイムを刻んだティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)も最後にソルドを抜いて3番手につけることになった。シェイクダウンの最初の走行を終え、ヌーヴィルは「とても面白いイベントになることが想像できたよ。僕らは冒険を求めていたが、それが実現したのだから、これからはそれに立ち向かわなければならない」と語っている。

 ソルドは走るたびにタイムを更新したが最終的には4番手タイムにとどまり、彼とともに3回での走行でシェイクダウンを切り上げた勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)が5番手タイムを記録している。

 6番手にはMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)、カッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)は、グリーンスミスより0.4秒、チームメイトのオジエのベンチマークよりも3.5秒遅れた7番手という控えめな結果に終わっている。

 2戦連続でサスペンションを壊してリタイアとなっているオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は驚くほど慎重なスタートを切り、シェイクダウンでは8番手のタイム、「今週は多くのサプライズがあるだろう」と語っている。
 
 ピエール-ルイ・ルーベが不振な選手権を立て直すためにサファリ参戦を取り止めたことで、オリヴァー・ソルベルグは急遽、ヒュンダイi20クーペWRCでの2戦目のチャンスを与えられたが、サファリの厳しさを思い知らされた。1回目の走行でスタートから3.1kmのところでブッシュに隠れていた岩にぶつかり、右フロントのサスペンションが壊れてマシンを止めてしまった。それでもマシンの修理後、彼は3回の走行を行い、タナクから1.4秒差の9番手タイムでシェイクダウンを終えている。

■シェイクダウン・タイム(P1ドライバー)
1. S.オジエ(トヨタ)3m42.6s
2. E.エヴァンス(トヨタ)3m42.7s(+0.1s)
3. T.ヌーヴィル(ヒュンダイ)3m43.8s(+1.2s)
4. D.ソルド(ヒュンダイ)3m44.5s(+2.9s)
5. 勝田貴元(トヨタ)3m45.6s(+3.0s)
6. G.グリーンスミス(Mスポーツ)3m45.7s(+3.1s)
7. K.ロヴァンペラ(トヨタ)3m46.1s(+3.5s)
8. O.タナク(ヒュンダイ)3m47.2s(+4.6s)
9. O.ソルベルグ(ヒュンダイ)3m48.6s(+6.0s)
10. A.フールモー(Mスポーツ)3m50.0s(+7.4s)
11. L.ベリテッリ(Mスポーツ)4m01.3s(+18.5s)