WRC2023/04/22

オジエ、シートベルト違反で1分間のペナルティ

(c)Toyota

 セバスチャン・オジエは、クロアチア・ラリーの初日、コドライバーのヴァンサン・ランデがセーフティハーネスを正しく装着していない状態で走行したため、1分間のペナルティが課されることになった。

 オジエは金曜日のオープニングステージのトップタイムでラリーをスタートしたが、SS2でパンクし、マシンを止めてベルトを交換することを余儀なくされた。

 しかし、GPSのトラッキングデータでは、オジエとコドライバーのランデはわずか1分7秒の停止でホイール交換に成功してスタートしたことが明らかとなっており、このトラブルで一時17位まで後退したものの、そのあと素晴らしい追い上げを見せて初日は5位でフィニッシュしていた。

 だが、初日のゴール後、SS2でストップしたあと、オジエはランデが正しくシートベルトを締める前にマシンをスタートしたことがインカーカメラでも明らかとなっており、さらにランデはFHRシステム(頭部および頸部保護装置)を正しく装着していなかったことが指摘されることになった。

 セーフティハーネスの正しい装着に関しては、2023年FIA世界ラリー選手権のスポーツ規則53.1項において、車が動いている際には締めていなければならないと定められており、スチュワードはドライバーは安全ベルトを締めていたが、コドライバーが正しく締めていなかったと確認されたと説明している。

「17号車のドライバー、セバスチャン・オジエは、SS2でパンクしたタイヤを交換した後、安全ベルトを締め、安全ベルトが正しく装着されるまで最初はゆっくり走り始めたと説明している」

「その後、コドライバーのヴァンサン・ランデに、準備ができたかどうか、運転を開始してもよいかどうかの確認を求めた。コドライバーはそれを同意した」

 スチュワードによれば、オジエはランデのFHR装置が正しく装着されたうえでセーフティハーネスを締めていなかったことは知らなかったと述べ、ランデはセーフティハーネスを誤って締めていたことに気付くのが遅れたことの怠慢を謝罪した」
 
 トヨタGAZOOレーシングWRTのスポーツディレクター、カイ・リンドストロームは、最初の13.5秒の間、オジエのマシンがゆっくりと動いていたことを示すデータをスチュワードに提出した。

 スチュワードはその事実を確認したものの、コドライバーはセーフティハーネスを締めたあともFHR装置を正しく配置しようと試みていたとして、最終的に正しくセーフティハーネスを締めることができたのはおよそ34秒後だったと判断した。

 スチュワードは、スペシャルステージ中に車内のすべての安全対策が満たされていることを確認するのはドライバーの責任であり、正しく締められないシートベルトおよびFHR装置が正しく装着しないままの走行は安全でないと結論付け、オジエに1分のペナルティを課している。

 これでオジエは初日は5位から7位へと後退、勝田貴元が5位、ピエール-ルイ・ルーベが6位へと繰り上がっている。