WRC2021/10/21

オジエ、スペインの失速に言い訳はしない

(c)Toyota

 8度目のワールドチャンピオンを狙うセバスチャン・オジエは、先週末のラリー・デ・エスパーニャでペースが上がらなかったことについて、「言い訳はしない」と語った。

 今月始めのラリー・フィンランドでの5位に続き、スペインのターマックでも4位を獲得したことで、オジエの選手権のリードはわずか2戦で44ポイントから17ポイントにまで縮まった。

 オジエは、11月18日から21日にかけて開催される最終ラウンドのACIラリー・モンツァでタイトル獲得を目指すことになるが、スペインでの慎重なアプローチは正しかったと主張している。

「残念ながら、僕たちのセットアップはラリーのスタート時には完璧ではなかった」とオジエは認めた。「その理由はいくつかあるが、昨年のカレンダーにはこのラリーがなかったので、僕たちがヤリスWRCでこのような道を走ったことがなかったということが大きい」

「また、僕たちはテストで、ラリー中に使用されるすべてのタイプの道路をカバーしていなかったため、準備が理想的ではなかった。スムーズでクリーンなセクションでは良い走りができたが、カットが必要とされるコーナーではクルマが安定しなかった」

「さらに、土曜日の昼間のサービスでようやく良いセットアップが見つかったが、その後もスピードが不足していた」

「言い訳を探しているわけではない。モータースポーツでは、僕たちは(チームと)一緒に勝ったり負けたりするので、僕にも責任がある。ただ、『オジエとトヨタ』のパッケージは、スペインではライバルに比べて十分な速さがなかったと考えている」

 オジエは、ラリーの大半でダニエル・ソルドをかわして3位につけていたが、土曜日の夜に行われたサロウのストリートステージでエンジンストールのために失速してしまい、ソルドに対するリードは僅か1.2秒となった。ソルドは日曜日の4つのステージをすべて勝利して、オジエから3位を奪った。またオジエは、ボーナスポイントが加算されるパワー・ステージでも突然の雨によってウェットのコンディションとなったため、あえて大きなボーナスポイントを狙わず、4番手タイムとなった。

「もっとリスクを取っていれば、もっと速く走れたかもしれないが、僕の立場ではチャンピオンシップを優先しなければならない」と彼は語った。「今回のラリーにおいても、雨でコンディションが急変したトリッキーなパワーステージも含めて、常にこの姿勢で臨んだ」

「チャンピオンシップをリードしているときには、注意が足りないよりも、注意しすぎるくらいのほうがいい。今週末も、この戦略は完璧だったと今でも思っている」

「僕たちはスタート前に24ポイントのリードがあったが、最終ラウンドを前にまだ17ポイント残っている。つまり、僕たちは今も非常に有利なので、モンツァでは万全の手を打って8度目のタイトル獲得を目指す」とオジエは付け加えた。