WRC2018/05/22

オジエ、ポルトガルで戦略的なリタイア

(c)M-Sport

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは、ラリー・デ・ポルトガルの最終サービスでセバスチャン・オジエを戦略的なリタイアにすることを決定した。

 一番手のポジションで金曜日をスタートしたオジエは、路面掃除をしながらトップからわずか7.3秒遅れというきわめて少ないタイムロスで朝のループを終えることになったが、午後のループの最初のステージ、SS5ヴィアナ・ド・カシュテロでコースオフしてリタイアとなってしまった。

 オジエは翌日、ラリー2で再出走したが、総合51位から21位まで順位を戻したもののトップ10には届かず、最終ステージでのボーナスポイントだけがポイント獲得のチャンスとなっていた。

 しかし、トップグループがその時点の順位のリバースでスタートしたパワーステージで彼は8番手タイムに終わり、ノーポイントでラリーを終えることが確定したため、チームは最終サービスで戦略的なリタイアを選んだ。

 オジエはFIAスポーティングレギュレーションに従い、次戦のラリー・イタリア・サルディでは新しいエンジンやトランスミッションを使用することが可能となる。

 チームディレクターのマルコム・ウィルソンは、サルディニアでより強力な結果を出すためにオジエのリタイアを決定したと語った。

「金曜日の午後に彼らしくないミスをした後、セバスチャンにとってはかなり不愉快な週末になり、最終日も挫折が続くことになった。この路面での彼のポジションを考えれば、パワーステージでポイントを獲得するのは難しいと思っていた。彼はそれをやり遂げなければならなかったが、うまくいかなかった。そのため我々はマシンをリタイアさせた。しかし、彼とジュリアンがサルディニアでさらに強くなって復帰することは間違いない」

 オジエはポルトガルのスタート時点ではドライバーズ選手権を10ポイント差でリードしていたが、ラリーを終えたいま、優勝したティエリー・ヌーヴィルから19ポイントのビハインドとなってしまった。

 オジエはこの現実を受け入れて、次戦のサルディニアではさらに強い結果のために全力を尽くすと誓った。

「勝てるマシンも速さもあったが、このような結果になるときもある。僕らが金曜日にやらかしたのは大きなミスではなかったが、重大な影響をもたらすことになった。これもモータースポーツの一部だし、これを受け入れるしかない」とオジエは語った。

「パワーステージは、予想したとおりに厳しいものになった。僕らは全力を尽くしたが、あのロードポジションではあれ以上速く行けなかった。僕は限界で行ったが、クルマが一台走るごとにタイムがよくなることは明らかだったし、どうしようもなかったことだ」

「ラリーではこのようなこともある。ページをめくって次の戦いを楽しみにするしかない。僕らは2週間後にはサルディニアにいる。そこでは僕らはきっとまた強くなっているはずだ」