セバスチャン・オジエは、ラリー・デ・ポルトガルで新しい記録となる7度目の勝利が可能かどうか聞かれ、いつにないほど険しい表情をみせている。
オジエは、ポルトガルで史上最も成功を収めたドライバーだ。昨年、彼はポルトガルで6度目の優勝を果たし、マルク・アレンの歴代勝利記録を上回った。
ポルトガルの金曜日は朝5時から夜の11時までという長い1日となる。タフな戦いが待つことは間違いないが、それでもオジエは4番手という比較的有利な出走順からスタートする。にもかかわらず、イベント前の彼の表情は、彼の経験と実績を考えると珍しいほど慎重だった。その理由は、オジエの事前テストがウェットコンディションで行われたことにある。
オジエにとって昨年のラリー・チリ以来のグラベルラリーとなる。今週末のポルトガルはドライコンディションで行われると予想されているが、新しいハンコックのグラベルタイヤをドライで試したことはこれまでなかった。木曜日のシェイクダウンでは、オジエはセッティングを微調整し、新しいハンコックのグラベルタイヤの感触を掴もうとしていた。
金曜日は早朝から夜遅くまで10ステージが予定されており、非常に過酷な一日となると彼は語っている。
「本当にタフな一日になるだろう。13時間も車に乗ることになるし、僕らにとって非常に厳しいものになるだろう。タイヤの経験がほとんどなく、一日中サービスがないことも影響している」とオジエは語った。
「リモートサービスでは、サスペンションを少し調整できるかもしれない。しかし、ラリー前に多くのことを予測するのは難しい。タイヤのフィーリングに関する経験が、すぐに適応する助けになることを期待している」
ハンコックは今回のポルトガルで強化仕様にアップデートしたグラベルタイヤを投入してきたが、このタイヤはより硬く、しかも重く、滑りやすいという。オジエは、週末の天候がドライと予想されていることを気にしていない。雨の方がむつかしくなると考えるからだ。
「シェイクダウンではとても滑りやすかった。ドライのためのセッティングを微調整して、フィーリングをつかもうとしたがまだまだやるべきことは多い。雨の日は(新しいハンコックタイヤでは)運転が非常に難しかった。だから、今週末は晴れて本当に嬉しい。正直言って、ウェット路面で運転するのは怖かったからね」と彼は認めた。
オジエは今シーズンもトヨタのパートタイムプログラムに参戦している。彼は今シーズン好調を維持しており、開幕戦のモンテカルロで優勝、カナリア諸島では2位を獲得した。
当然のことながら、オジェのポルトガルでの目標は再び勝利することだ。しかし、現在の不透明な状況を考えると、勝利を争う自信はどれほどあるのだろうか?
「疑問符が付くほど多くの要素があるので、自信を持つのは難しい。しかし、最終的には、自分はできると信じなければならない。それが常に私の計画だ」とオジエは締めくくった。