WRC2023/03/21

オジエ、メキシコでの勝利を亡き友に捧げる

(c)Toyota

 セバスチャン・オジエは、ラリー・メキシコ勝利を、先日亡くなった友人でトレーナーのティム・ロビンガーに捧げた。

 日曜日の午後、メキシコでの7度目の優勝をパワーステージ勝利とともに決めることになったオジエは、ゴール地点で行われたWRC All Liveのインタビューで「この素晴らしい勝利を誇りに思う」と語るとともに、「この勝利は少し前に亡くなった友人ティムに捧げたい」と目を潤ませて天を仰いでいた。

 ロビンガーは元オリンピック棒高跳び選手で、オジエの住むドイツ・ミュンヘンで陸上競技のコーチとして高い評価を得ており、オジエにとってはトレーナーでもあり、プライベートでも強い絆で結ばれていた友人だったが、長い闘病のすえに2月16日に50歳でこの世を去ったという。

「彼はドイツで僕のトレーナーだったんだ」とオジエは説明した。「彼の名前はティム・ロビンガーだ。彼は白血病で、6年間闘病していたが、残念ながら、ついこの間、その闘病が終わった」

「僕と同じ年頃の息子がいることもあり、彼とは多くの時間を共に過ごし、良い友人にもなれただけに、悲しい出来事だった。僕らは、彼がいつも私たちとともにいてくれること、そしてその小さな子を僕たちの子供としても扱うことを誓ったんだ」

 8度のWRC王者のオジエは、友人が困難に直面しながらも、その回復力と前向きな姿勢をみせてきたことに心を打たれたと語った。

「これほど長い間戦い続け、常に前向きであったことは本当に素晴らしいことだ。僕が彼の様子を気に掛けているときも、彼はいつも僕の様子を気に掛けてくれていたよ。いつも必ず何か教えられてきた」

「彼はいつも僕たちの心のなかにいてくれており、彼のことをずっと考えている。彼が亡くなってから初めてのラリーだったので、この勝利を彼に捧げるのは自然なことだった。彼はきっとこれを見て、喜んでくれていると思う」

 オジエとコドライバーのヴァンサン・ランデは、チャンピオンシップをリードして4月20日から23日に行われる次戦のクロアチア・ラリーに参戦する。