WRC2018/01/26

オジエ、波乱初日を制してモンテをリード

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 2018年WRC世界ラリー選手権開幕戦ラリー・モンテカルロは、波乱続出のナイトステージを終えてワールドチャンピオンのセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)がトップに立っており、ヒュンダイ・モータースポーツのアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)が17.3秒差の2番手タイムで続く展開となっている。

 ラリー・モンテカルロは木曜日の夜、モナコのカジノ前広場でのセレモニアル・スタートが行われたあと、トアール〜システロン(36.69km)、ベイヨン〜ブレジエ(25.49km)という二つのナイトステージが用意されることになった。

 オープニングSSは名物のシステロン・ステージ。WRCとしては史上初めて逆走となり、ふだんのゴール地点であるトアール村からスタートとなる。夕方までモナコ近郊では雨が降ったため、ステージの積雪も懸念されたが、スタートから11.9kmまではアイスも雪もなく、フォンベル峠をすぎて路面にアイスパッチが4kmほど残っているだけで後半のセクションもドライコンディションだ。だが、すべてのドライバーがターマック用のドライタイヤを装着していたため、この峠を越えたセクションで数々のドラマが発生する。

 一番手でステージをスタートしたオジエは薄い氷で覆われたタイトな右コーナーで非常にゆっくりな速度でスピン、冷静な判断でダメージや大きなロスなくコースに復帰することになったが、チャンピオンはいきなりハンデを負ったスタートを切ったかに見えた。ところが、後方のドライバーたちも次から次に同じセクションでトラブルに見舞われる。

 トヨタでのデビュー戦を迎えたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)もコースオフして38秒をロス、48秒を失ったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)も「2回スピンし、2度ストールした」と笑うしかない。だが、もっと悲惨だったのはティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)だ。彼は12.7km地点で大きくスライドさせてしまいディッチでスタックして4分18秒遅れ。クリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)も同じような状況で観客の助けを待ったために1分44秒を失い、エルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタWRC)はパンクした右フロントタイヤを交換したため早くも3分48秒遅れとなり、そろってトップ10圏外に消えてることになってしまった。

 波乱のオープニングSSでは、けっきょくオジエがスピンをものともせずにベストタイム、彼は続くSS2ベイヨン〜ブレジエでも連続してトップタイムを奪って初日のラリーリーダーとしてホームタウンのギャップへと入ることになった。オープニングSSでブレーキトラブルを抱えながらも2番手タイムを奪ったミケルセンが17.3秒差の初日2位で続き、チームメイトのダニエル・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)が25.6秒差の3位につけることになった。

 オープニングSSで3番手タイムを奪ったトヨタのエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS2ではコース終盤のダートで汚れた路面を慎重にこなしたために初日4位、オープニングSSでコースオフしかけてひやりとさせたタナクが5位、さらにラトバラも6位で続き、トヨタ勢が4-5-6位を占めることになった。

 クレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)はオープニングSSの最初のスプリットでは素晴らしいタイムで駆け抜けたが、そのあと他のドライバーとおなじくコースオフして5番手タイムで発進、SS2でもフロントタイヤに正しい空気圧がないためスピン、1分7秒遅れの7位につけることになった。

 明日の金曜日は、ギャップ西南エリアに舞台を移して、6SS/144.88kmが予定されている。レッキは春を思わせる暖かい陽射しのなかでほぼドライコンディションとなっていたが、今夜から天気は下り坂になるとの予報があり、標高が高いステージでは雪になることが予想されている。