WRC2020/01/23

オジエ+トヨタ、開幕戦シェイクダウンで一番時計

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 2020年FIA世界ラリー選手権(WRC)開幕戦ラリー・モンテカルロのシェイクダウンが22日水曜日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTでのデビュー戦となるセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)が1分57.1秒のトップタイムをマーク、0.1秒差の2番手にはヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が続いている。

 2人のトップドライバーを除けばほぼすべてのドライバーが昨年とは異なるマシンで臨む新シーズン、限られたテスト時間のなかでどのドライバーとどのマシンのパッケージの完成度が高く仕上がっているのか。世界が注目するなか、開幕戦モンテカルロのシェイクダウンは現地時間16時からギャップ近郊にもうけられた3.35kmのステージで始まることになった。

 2日半にわたるレッキを終えたドライバーたちは昨年よりコースが雪と氷の混ざりあう複雑なコンディションとなっていると口々に語っていたが、シェイクダウンのステージは暖かい日射しを浴びてオールドライのコンディションとなった。

 6年連続でモンテカルロを制してきたオジエは、まだ慣れないマシンにもかかわらずにシェイクダウンの1回目で1分57.1秒の最速タイム、2番手は0.1秒差のヌーヴィル、3番手にはエルフィン・エヴァンス(トヨタ・ヤリスWRC)が0.8秒差で続き、1番手でコースインしたワールドチャンピオンのオイット・タナク(ヒュンダイi20クーペWRC)は、もっともクリーンなステージだったが、オジエからは1.4秒落ちの4番手タイムに留まることになった。

 ラリーカーの走行によってコーナーにはインカットによって土と砂がかきだされ、コンディションはどんどん悪化することになったため、結果的にはほとんどのドライバーが1回目のタイムを大きく更新することができず、6番手タイムのエサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)まで順位の変動はないままとなかった。

 シェイクダウンの2回目以降を終えてもトップ3はオジエ、ヌーヴィル、エヴァンスのまま。けっきょく、3回の走行を行ったオジエの1回目の走行がトップタイム、ヌーヴィル、エヴァンスともに4回の走行を行ったが、ともにタイムを更新できずポジションはそのまま2-3番手となった。

 7年連続でのモンテ勝利にむけて好スタートを切ったオジエだが、彼はここでのタイムはトリッキーなコンディションが待ち受ける本番では意味をなさないと語った。「今週末に何かができることはわかっているが、このようなコンディションのイベントではすべてのマシンが勝つチャンスがあると思う。今週末のコンディションではマネージメントしきることが重要になる」とオジエは語っている。

 タナクも4回の走行を行ったが、2回目の走行で自身のタイムを0.2秒更新したのみでトップ3には及ばず、トップタイムのオジエからは1.2秒差の4番手タイムでシェイクダウンを終えることになった。

「今のところ、すべてが順調にいっている。新しい発見がたくさんあった。このラリーが興味深いものになることを約束するよ」とタナクは自信に満ちた表情で語った。

 多くのドライバーが2回目以降それほどタイムを伸ばせないなか、1回目の走行で4.9秒遅れの8番手タイムだったルーキーのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)は2回目の走行では自身のタイムを2秒縮め、セバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20 クーペWRC)を抜いて7番手でシェイクダウンを終えている。
 
 また、WRカーでの初めてのモンテカルロに挑む勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)はローブからもわずか1.5秒差の10番手タイムで続いている。「モンテカルロでシーズンをスタートすることは非常にエキサイティングであり、この機会を持てたことは素晴らしいことだ。最善を尽くしたいが、最大限の経験を積むためにここにいることを忘れてはならない」と彼はステージエンドで語っていた。

 ラリー・モンテカルロは明日木曜日の夕方にモナコで行われるセレモニアルスタートを合図に4日間の戦いの火蓋が切られることになる。2年ぶりにモナコに戻ったセレモニアルスタートは、おなじみとなったカジノ前広場ではなくモナコのヨットハーバーに面したアルベール1世通りで行われ、そのまま2つのナイトステージの走行が行われる予定だ。

■シェイクダウンタイム
1. セバスチャン・オジエ(トヨタ) 1分57.1秒
2. ティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイ) 1分57.2秒
3. エルフィン・エヴァンス(トヨタ) 1分57.7秒
4. オイット・タナク(ヒュンダイ) 1分58.3秒
5. テーム・スニネン(Mスポーツ)1分59.4秒
6. エサペッカ・ラッピ(Mスポーツ) 1分59.7秒
7. カッレ・ロヴァンペラ(トヨタ) 2分00.0秒
8. ガス・グリーンスミス(Mスポーツ)2分00.2秒
9. セバスチャン・ローブ(ヒュンダイ)2分00.4秒
10.勝田貴元(トヨタ)2分01.9秒