ERC2021/06/23

オリヴァー、いとこにERCジュニアの賞金を譲る

c)ERC

 オリヴァー・ソルベルグは、昨年、ヨーロッパ選手権のERC1ジュニア選手権のチャンピオンに与えられる10万ユーロの特典をいとこのオスカーが国際的な舞台でラリー活動を再開するための機会としてプレゼントした。

 昨年のERC1ジュニア・チャンピオンには、今年、フォード・フィエスタRally2による10万ユーロ相当のERC参戦プログラムが贈られる予定だったが、ERCでのトレーニングミッションを終えたオリヴァーはすでに世界ラリー選手権へのステップアップが順調に進んでいることから、この賞金をオスカーへと譲ることを決意、ERCのプロモーターであるユーロスポーツイベンツおよび統括団体であるFIAがこれを正式に承認することになった。

 ERCコーディネーターのジャン-バティスト・レイは、オスカーのプログラムはフィエスタRally2の参戦ではなく、新しいERCジュニア選手権にMスポーツ・ポーランドのフィエスタRally3で参戦することになったと述べている。

「オリヴァー・ソルベルグは、多くの才能ある若手ラリードライバーが経験してきたように、ERCのハイレベルな競争の中で重要な経験を積んできた。彼の成長は非常に印象的であり、ヒュンダイ・モータースポーツで世界ラリー選手権のキャリアを好調にスタートさせたことを嬉しく思っている」と、ERCコーディネーターのレイは述べている。

「我々はオリヴァーがERCに戻ってくることを歓迎するつもりだったが、いとこのオスカーに賞を譲り渡したいという彼の行動は賞賛に値するものだ。オスカーは明らかに大きな才能を持った若者であり、彼はMスポーツ・ポーランドのフィエスタRally3を駆って新時代のERCジュニアにおいて注目すべき存在になるはずだ」

 オリヴァーは、賞金をいとこに譲った理由について次のように説明している。

「今年は世界選手権のプログラムで忙しく、ヨーロッパ選手権に出場する時間がないため、賞金の受け取り手をもう一人のソルベルグに変え、そのお金でいとこが今年のヨーロッパ選手権に出られるようなることが一番の解決方法だった」とオリヴァーは語った。

「これは素晴らしいことだと思うよ。僕のいとこは本当に速いし、彼にとってはフィエスタRally3でERCに出場することは素晴らしい機会になるはずだから、これからのシーズンでの成功を祈っているよ」

 オリヴァーのいとこであり、ペター・ソルベルグの弟ヘニングの息子である25歳のオスカーは、2016年の世界ラリー選手権で併催されたドライブDMACKトロフィー(現在のジュニアWRC)に参戦、キャリアの早い段階から高いレベルで戦ってきたが、それ以降は、予算の関係でノルウェーやスウェーデンのローカルイベントに参戦は限られてきた。

 オスカーは、2週間後にラトビアで行われるラリー・リエパーヤでフィエスタRally3でデビューをすることになり、このマシンに慣れるためにイベント前にテストを行うことになるという。

「正直、ちょっと衝撃を受けているよ。このニュースを聞いたとき、僕は古いボルボでノルウェーのチャンピオンシップに集中していたし、来週のラリー・リエパーヤの最初のステージでヘルメットをかぶるまでは、そのことが理解できないと思うよ」とオスカーは語った。

「これは僕にとって非常に大きなことで、オリヴァーからの支援がなければ、僕はそこにいなかっただろう。僕とオリヴァーは子どもの頃からラリーがとても好きだったし、いまは彼の方が僕よりも先に進んでいる。僕は自分のリズムを見つけて、それに合わせて進むだけだ」

「まだRally3カーには乗ってないが、エキサイティングだろうね。2016年にキャリアをスタートしたときはグループNのマシンに乗っていたので、4輪駆動マシンの経験もあるし、フィエスタのこともよく知っている。自分が一番速いとは思ってないし、ラトビアでの最初の数ステージを終えた後、自分に何ができるかを見てみたいと思う」