ERC2017/03/31

カイエタノビッチ、ERCアソーレスの初日をリード

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 2017年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)開幕戦ラリー・アソーレスは30日に初日を迎え、ポーランドのカイエタン・カイエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)がトップに立っている。

 ポルトガル領アソーレス諸島のサン・ミゲル島を舞台に行われるラリー・アソーレスは、ポンタ・デル・ガーダでのスタートセレモニーに続いて15時21分から新しいラゴア・ステージで3日間にわたる長い戦いがスタートした。このステージでトップタイムを奪ったのはルクヤヌク。しかし、わずか2.14kmのギャラリーステージでは大きな差が付くわけではなく、わずか2秒差に10台がひしめく大混戦のスタートとなった。

 ルクヤヌクは、昨年の初日もターマックとのミックスステージでソフトタイヤを摩耗させて苦しいスタートとなったことからSS2ではすこしペースダウン、ここでベストタイムを奪った地元のリカルド・モウラ(フォード・フィエスタR5)が首位に立つことになる。

 だが、昨年のウィナーであり、ここを知り尽くしているはずのモウラのタイヤは激しく摩耗しており、彼は不覚にも初日最長となる13.47kmのSS3で3番手へと順位を落とすことになってしまう。

 モウラの失速によって順位を挙げてきたのは、予選トップでラリーをスタートしたカイエタノビッチ。彼はミックスステージのオープニングSSではタイヤをいたわって7番手タイムとスロースタート、続く7.08kmのSS2で4位に順位を上げたあと、SS3で首位に立ったルクヤヌクに0.9秒差の2位へと浮上、初日最後のスーパーSSではこの日初のトップタイムを奪い、初日をラリーリーダーで終えることになった。

「オープニングSS はステージの半分がターマックだったんだ。僕は速く走りたかったが、ソフトタイヤなのでこのステージではスピードを重視しなかった。それで最後までいいフィーリングで走ることができたんだ」

 ルクヤヌクは1.1秒差で初日2位となったものの、ロングステージのSS3ではトップタイムを奪ってみせるなど、速さへの手応えを感じた初日となったようだ。

「慎重にスタートしたが最後はタイヤが厳しくなった。学ぶ必要があるが、ここまではとてもいい走りができている。カイトとのエキサイティングなバトルはとても接戦になっているね」とルクヤヌクは語っている。

 タイヤのブロックを失ったモウラはスピードを落としたものの、どうにか3位をキープ。しかし、首位からは13.8秒遅れとなっている。ラトビアのラルフス・シルマチス(シュコダ・ファビアR5)はSS3のミスによって17.3秒差の4位にとどまったものの、ポルトガル・チャンピオンのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)を2.2秒上回る速さをみせており、19歳のニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)を4.6秒引き離してERCジュニアU28をリードしている。

 また、ERCジュニアU27は、オペル・ジュニア・チームのクリス・イングラム(オペル・アダムR2)がリード、2.9秒差でチームメイトのヤリ・フットネン(オペル・アダムR2)が続いている。