WRC2025/02/19

ギルがジュニア優勝もヨハンソンが選手権をリード

(c)M-Sport

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 FIAラリースターのテイラー・ギルが、ラリー・スウェーデンでFIAジュニアWRC2度目の勝利を収めたが、スリリングなシーズン開幕戦でチャンピオンシップのリーダーに立ったのは最多のステージウィンを獲得して2位でフィニッシュした地元のミッレ・ヨハンソンだった。

 ジュニアWRCは今季もMスポーツ・ポーランドが製作したフォード・フィエスタRally3エボで争われ、新しいWRCコントロールタイヤであるハンコックがチャンピオンシップで使用される。

 11カ国から集まった13人のチャレンジャーが、今季も開幕戦となったラリー・スウェーデンをスタート、そのなかでも圧倒的な速さをみせたのが、昨年のイベント優勝者である19歳の若き地元のスター、ヨハンソンだった。

 2024年のジュニアERCタイトルの賞品として初のジュニアWRCフルシーズンへのチャンスを掴んだヨハンソンは、木曜日夜のウーメオ・スプリントでベストタイムを奪ってラリーをスタート、金曜日も4つのベストタイムを奪ってリードを拡大、2位につけるギルに早くも48.3秒差、3位のイーモン・ケリーには2分近い大差をつけることになった。

 ヨハンソンは土曜日も素晴らしいペースをみせてリードを54.2秒まで拡大したものの、コルクセレ・ステージでコースアウトして雪原でスタック、3分近く失って4位へと後退してしまった。

 ヨハンソンの勝利の望みは消えたが、それでも次のステージ以降も素晴らしいペースをみせて猛追、首位のギルから1分11秒遅れの2位まで追い上げて土曜日を終えている。

 ヨハンソンは最終日も素晴らしいペースをみせて追い上げを敢行したが、冷静さを保ち続けたギルが22.8秒差で逃げ切り、勝利を収めることになった。

 ジュニアWRCは、チャンピオンシップのポイントほかにステージ優勝1回につき1ポイントが与えられるほか、シーズンで3戦以上参戦したドライバーには最終戦ではチャンピオンシップのダブルポイントが与えられる。ヨハンソンはスウェーデンでは2位に終わったものの、18ステージのうち12ステージで最速タイムを記録したことにより29ポイントを獲得してランキングのトップに躍り出た。勝者のギルはステージ優勝2回にとどまり2ポイント差の27ポイントで選手権では2位につけることになった。

 アイルランドのケリーは、ヨハンソンのペースには及ばなかったが、59.9秒遅れで3位を獲得、トルコのアリ・トゥルッカンはわずか8.4秒差で表彰台を逃した

 トゥルカンの同胞でジュニアWRCデビューのケレム・カザスが1分以上遅れて5位に続き、ベルギーの新人トーマス・マルテンスが15.9秒遅れの6位となった。

 ビヨンド・ラリー女性ドライバー育成プログラムの最終選考に残ったクレア・シェーンボーンが7位に浮上し、彼女とプログラムを争うリシア・ボーデはほぼ3分遅れの8位でフィニッシュした。

 ジュニアWRCの次戦は5月に行われれるラリー・デ・ポルトガルとなる。