APRC2017/08/11

クスコ・ファビアR5登場、APRCマレーシアは今週末

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(c)CUSCO Racing

 2017年FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)は今週末にマレーシアで開催されるインターナショナル・ラリー・オブ・ジョホールを控え、タイトル争いはここまでこの数年以来、最もエキサイティングな展開となっている。

 開幕戦のニュージーランドでは、昨年のチャンピオン、チームMRFシュコダのガウラフ・ギルが勝利し、オーレ・クリスチャン・ヴェイビーが2位でフィニッシュしているが、オーストラリアで開催された第2戦ラリー・キャンベラではノルウェー出身のヴェイビーがチームメイトのギルを抑えて勝利を収め、彼に対し2ポイントを先行する形となっている。

 シュコダの若手ヴェイビーはマレーシアでの挑戦に向けて準備も万端だ。世界ラリー選手権ラリー・ポーランドでのWRC2カテゴリー初勝利という力強い結果を得て、現在WRC2ランキングで2位につけている。彼はラリー・フィンランドでは、クラッシュでリタイアするまではラリーをリードしていた。

 APRC第3戦として予定されていたチャイナ・ラリーがロジスティクスに関わる理由でキャンセルされたため、一方のギルは、2ヶ月半の間を経てから競技に戻ることになる。彼は実戦から遠ざかっていた分の練習不足をここ数年マレーシアに参戦してきた経験を持って補っていきたいところだ。

 正式にはインターナショナル・ラリー・オブ・ジョホールとして知られるマレーシアでのAPRCラウンドで各チームが挑むことになるのは、コタ・ティンギに近いパーム油農園地を走る小さく、高速でソフトなグラベルの道路での236kmに及ぶ14の厳しいステージだ。ジョホール・バルの北部とシンガポールとの国境近くの町の周辺を走るラリーのステージは間違いなくこの国の中でも最高のものだといえる。全体を通して高速で流れる、そしてテクニカルな難しさをもつ道路が続くところに、80%以上の湿度と40℃を越える気温に突発的な豪雨が組み合わさった、競技者にとっては困難な挑戦となる。

「このラリーに向けて自分の準備を整えていくためのいちばんいい方法は、サウナでしっかりと服を着てレーシングウェアを身につけてワークアウトするのがいいと思う」とヴェイビーはマレーシアでの戦いに向けて語っている。

 また、今回のインターナショナル・ラリー・オブ・ジョホールには、クスコレーシングの炭山裕矢が日本人ドライバーとして初めてシュコダ・ファビアR5を駆って出場する。木曜日にプランテーション畑のなかで行われたプラクティスランで初めてこのマシンをドライブした炭山は、ウェットの難しいコンディションだったにもかかわらず、マシンバランスの良さを高く評価している。

「クルマはとても軽く、そして速いです。そしてよりパワフルでとてもバランスもいいです。ラリーは走り切ることが目的ですが、どこまでいけるか楽しみです」と炭山は語っている。

 昨年のマレーシアでAPRCデビューした三菱ミラージュR5もヤリ・ケトマーとともにインドのサンジェイ・タクルのドライブで初優勝に挑むことになっている。

 インターナショナル・ラリー・オブ・ジョホールは金曜日の夕方ジョーホール・サーキットでスタートを迎え、日曜日の16:00に勝者が同じ場所でフィニッシュ・ラインを越える予定となっている。