ノルウェーのヘル・サーキットで行われた世界ラリークロス選手権第5戦は10日に最終日を迎え、Q1からQ4までのすべてにおいて最速タイムを叩きだしたPSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンのヨハン・クリストファーソン(VWポロR)がファイナルでも圧勝、完全勝利で今季4勝目を飾ることになった。
クリストファーソンは予定どおりにセミファイナル1を勝ち進んでファイナルのポールポジションを獲得、フロントローにはQ3とQ4でともに2番手タイムを記録する速さをみせ、セミファイナル2でも勝利を飾ったティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)が並ぶことになった。
しかし、クリストファーソンが素晴らしいスタートを決めるなか、ティミー・ハンセンはやや出遅れてしまい、アンドレアス・バックルド(アウディS1)ともつれるようにして1コーナーでストップ、これで両者は最後尾へと後退し、表彰台のチャンスを失うことになった。
快心のスタートを決めたクリストファーソンに続いて混乱の1コーナーを2番手でクリアしたのは3列目のグリッドからスタートしたチームメイトのペター・ソルベルグ。PSRXフォルクスワーゲン・スウェーデンの2台のポロRが編隊を組むようにして周回を重ねることになった。
だが、1周目の1コーナーの混乱から避けるように迷うことなくジョーカーラップを選んだマティアス・エクストローム(アウディS1)が素晴らしいラップで追撃を開始、3周目にはファイナルの最速ラップを記録してVW勢に迫ることになった。
この状況をみてソルベルグは5周目にジョーカーラップを選ぶも、エクストロームの先行を許してしまうことになった。エクストロームは、Q3においてソルベルグと接触して5秒のペナルティを科せられただけでなく、Q4でもメカニカルトラブルのためスタートして数メートルでマシンを止めてリタイアとなったが、どうにか予選10位で進出したセミファイナルから勝ち上がってファイナルを2列目からスタートしていたが、幸いなことに予選ヒートを1回走っていなかったため、彼のタイヤはライバルたちよりグリップを発揮することになった。
エクストロームはソルベルグを簡単に引き離しただけでなく、最終ラップでジョーカーを選んだクリストファーソンのすぐ背後に迫ることになったが、クリストファーソンはどうにか0.78秒差で逃げ切って、今季4勝目を挙げることになった。
ソルベルグはホームラウンドでの勝利はならなかったが、3位のポディウムに立ち、ケヴィン・ハンセン(プジョー208 WRX)が自己タイの4位で続くことになり、兄のティミー・ハンセンは5位で終えることになった。
開幕戦から4戦連続でポディウムに立ってきたセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)は予選初日は2位と好スタート。しかし、最終日のQ3のファイナルヒートで素晴らしい速さをみせてトップを快走したものの、チームの指示がないためジョーカーラップを行わないままフィニッシュ、ペナルティにより最下位となってしまう。予選は7番手でセミファイナルには駒を進めたものの、このレースは4位に終わりファイナル進出はならなかった。