WRC2021/04/28

クロアチア警察、オジエ事故を一般事故と同じ扱い

(c)Toyota

 警官がボンネットに手をおいている状態をふりきってクルマを発進させたドライバーが拘束されなかったのは彼が一般市民ではなくワールドチャンピオンだったからか? セバスチャン・オジエが日曜日にクロアチアで遭遇した一般車との交通事故のあとの行為について、クロアチア市民から批難の声が起こっていることについて、現地の警察当局は一般の事故と同じ扱いとして処理したと説明している。

 オジエは先週末のクロアチア・ラリーで、最終日の朝、スペシャルステージに向かう際、ドゥブロヴニク大通りで一般車と接触事故を起こしているが、現場検証を終えて立ち去る際に警官の制止を振り切って強引にクルマを発進させたようにも見える動画が物議を醸している。

 オジエは自身のソーシャルメディアを通じて、ほかの警官に立ち去る許可はもらったと説明、制止した警官は英語を理解していなかったために誤解が生じたとしてゴール後にあらためてクロアチア警察を訪問して謝罪している。

 クロアチア交通警察のスポークスマンであるミロン・フルジャクは、クロアチア国営放送局HRTのインタビューに対して、オジエが現場から逃げた事実はないと強調、ワールドチャンピオンだから優遇した事実はなく、通常の交通事故として処理したと説明している。

「彼は現場から立ち去ってはいない。現場検証は終わり、書類の作成も済んでいた。ワールドチャンピオンとしての扱いはなく、事故を起こし、権限のある命令に従わず、赤信号で通過したことへの一般的な交通違反者と同じように処罰された」とフルジャクは述べている。

 警察によれば、オジエには8,000クロアチア・クーナ(およそ14万円)の反則金を科すとともに、事故翌日からクロアチアでの運転を6か月間禁止したという。すでにオジエ対しては、FIAとクロアチア・ラリーのスチュワードは合計7000ユーロの罰金と猶予付きの1戦への出場停止処分を科している。