ERC2018/09/23

グリアジン、波乱のERCポーランドをリード

(c)ERC

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 FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第7戦ラリー・ポーランドは、勝利が期待されていたロシアのアレクセイ・ルクヤヌク(フォード・フィエスタR5)が早々にクラッシュで消えるという波乱のなか、ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)がレグ1のトップに立っており、ヒュンダイ・ジュニアドライバーのヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)が11秒差で続くという展開になっている。

 前夜に行われたミコワイキ・アリーナのスーパーSSで開幕したあと、ラリー・ポーランドは土曜日からマズールィ地方の舞台を移したが、狭くハイスピードのグラベルステージでさまざまなドラマが発生することになり、優勝候補の本命ともいえるルクヤヌクの衝撃的なクラッシュでこの日は始まることになった。

 ルクヤヌクはSS2でグリアジンに0.6秒差で首位を奪われた直後にSS3で高速クレストを越えた先のコーナーでワイドになってリヤをクラッシュ、新チャンピオンのセンセーショナルな走りを期待したファンをがっかりさせることになった。

 また、このステージでは4位につけて母国ラウンドでERC初優勝を狙っていたウーカス・ピニオージェック(シュコダ・ファビアR5)も大きなクラッシュで戦列を去るなど大乱戦の幕が開けるなか、14番手という後方のスタートを選んだグリアジンはクリーンになったとはいえ柔らかい路面に刻まれた轍に苦戦しながらも高速ステージで4連続ベストタイムを奪って発進、朝のループを終えて2位で続くフットゥネンに11.1秒差をつけてラリーをリードすることになった。

 ERCジュニアU28選手権の3位につけるグリアジンにとってタイトルへの望みをつなぐためにもここでの勝利を期待したいところだが、スタート前にこの特徴的なポーランドで一度もテストをする機会がなかったというフットゥネンを相手にリラックスして走れるほどアドバンテージを築くことはできない。

 グリアジンは午後のループでもSS6、7と連続してベストタイムを刻み、リードを14.1秒へと広げたが、タイヤの摩耗に苦しんで終盤にはペースダウンを強いられたが、11秒をリードして首位でレグ1を終えることになった。しかし、終盤に2連続でベストタイムを奪ったフットゥネンもぴたりと2位に続き、ERC初勝利にむけて野心をみせている。

 1分33秒差とやや引き離された3位には、昨年までフットゥネンと同じくADACオペル・ジュニア・ラリーチームに所属していたクリス・イングラム(シュコダ・ファビアR5)が続いているが、彼と激しいバトルを繰り広げたがシュコダ・アウト・ドイッチュランドのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)がわずか1.7秒差に迫っている。

 ERCジュニアU28をリードするクライムは予選のミスで4番手という苦しい走行ポジションながら猛チャージをみせたが、U28の2位につけるイングラムにしても選手権のために一歩も譲れない状況にあり、明日の最終日も二人の戦いからは目が離せそうにない。

 5位をめぐってポーランド勢のバトルとなっており、シュコダ・ポールスカ・モータースポーツのミコワイ・マルチク(シュコダ・ファビアR5)が続き、ポーランド・チャンピオンのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)を5.7秒リードしており、さらに6.4秒差にはウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)が続いている。

 予選でもマシンの前後にダメージを負ったプジョー・ラリーアカデミーのローラン・ペリエ(プジョー208T16 R5)はSS9でフロントをクラッシュ、ラジエータを壊してリタイアとなってしまった。

 ERCジュニアU27は、選手権リーダーのマルティンシュ・セスクス(オペル・アダムR2)がトップに立っていたがSS4でのクラッシュでリタイアとなり、選手権2位につけるチームメイトのトム・クリステンソン(オペル・アダムR2)がトップに立っており、2位のエフレン・ヤレナ(プジョー208 R2)を20.2秒引き離している。

 ポーランドの最終日は6SS/97.48kmが設定され、ゴウダップやバラノヴォといった名うての高速ステージが待ち受けている。