ERC2022/12/06

コリンズ・クレスト、真夏の復活へ

(c)Toyota

 
  2023年にヨーロッパ・ラリー選手権としてスウェーデンで初開催されるロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアは、文字通りまったく新しいラリーではあるが、このイベントが開催されるヴェルムランド地方は、2022年にウーメオに移転するまで長年にわたって世界ラリー選手権のラリー・スウェーデンの舞台となっており、新しいラリーはグラベルラリーとなるものの、ラリー・スウェーデンでお馴染みだったクラシックステージが蘇ることになりそうだ。

 グレン・オルソンは、ラリー・スウェーデンにとって重要な人物だが、いまはラリー・スウェーデンのCEOではなく、新たにスウェーデンのプロモーション会社NeHでイベント部門を率いて、ラリーをオーガナイズしている。

 オルソンは、ヴェルムランドで再びイベントを開催するための話し合いは、ラリー・スウェーデンをウーメオに移すことが決定したときから始まっており、ラリー・オブ・スカンジナビアの誕生にはそれまで関係があった地域のモータークラブに助けられたと明かした。

「新しいラリーはヴェルムランドにとって大きな意味をもつものだが、このアイディアはラリー・スウェーデンがウーメオに移るときからあったものだ」と、オルソンは語った。

「そこには以前にラリー・スウェーデンを成し遂げた強力なメンバーや組織、そして膨大なノウハウがある。互いに助け合って、これを成功させ、ヴェルムランドに新しい大きな毎年のイベントを作り上げたい」

 オルソンは、かつてのラリー・スウェーデンで使用されたクラシックで有名なスノーステージが、すべてグラベルステージとして蘇るという期待を否定した。

「もちろん、夏のラリーはまったく新しい状況で、まったく同じステージではない」とオルソンは語った。

「冬に使っていた道路は使えない。夏にはそこが道路でないこともあるんだ。非常に悪い道でも、冬の間は雪と氷に覆われているため使うことができる。夏は、過去に夏のラリーで使われた強いグラベル路が絶対に必要だ」

「全く同じ道路というわけにはいかないが、ヴェルムランドでは最近は国際レベルではないものの夏のラリーもやっていて、いい道がある。最近の夏のラリーを見ると、ラリー・フィンランドのようなイベントに似た、本当に良い高速ラリーだ」

 しかし、もちろん例外はある。オルソンは、かつてのラリー・スウェーデンの象徴的なステージとなっていたコリンズ・クレストだけは復活させたいと約束している。

「コリンズ・クレストの復活のために、できることは何でもしたい! 大きなイベントで、夏にコリンズをやるのが夢だった」とオルソンは語った。

「ラリーファンでなくとも、このフェスティバルのために参加したくなるような、魅力的なイベントにしていきたい。もちろん、ハードコアなラリーファンにとって、エキサイティングなラリーであることに変わりはない」

 ロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアは7月7〜8日にERC第5戦としての開催が予定されている。