WRC2023/02/25

サルディニアに魔物が棲むダウンヒルが復活

(c)Bettiol/Rally Italia Sardegna

 6月2日に開幕する2023年のラリー・イタリア・サルディニアで、歴史に名を刻むことになるのは50km近いモンテ・レルノと2004年にこのイベントが初開催されたときの最初のステージであるタンタリーレスの復活だけではない。金曜日のレグ1に行われるテラノーヴァ・ステージでは、歴史的なキッツビュールのダウンヒルを復活する。

 イタリア自動車クラブが、20周年を迎えるラリー・イタリア・サルディニアのアイテナリーに、もうひとつの大きな驚きを実現させた。

 テラノーヴァのキッツビュール・セクションは、その名の由来となったオーストリアのスキーワールドカップで魔物の棲む坂としてその存在が知られることになったダウンヒルスロープ、『シュトライフ』を彷彿とさせ、ラリー・イタリアがサルディニア島に移って以来、最も人気のあるコースのひとつとなっていた。

 キッツビュールのダウンヒルは、モンテ・レルノなどの他のセクションとは異なり、常に使用されているわけではない。テラノーヴァのステージは長年にわたっていくつかのコースバリエーションをもつため、キッツビュールは2014年以来ルートに含まれていなかった。2023年バーションのテラノーヴァ・ステージは、モンティからアラ・デイ・サルディに至る389号線からほど近い場所からスタートし、偽のフラットセクションを経てキッツビュールのダウンヒルに到着する。

 キッツビュールのダウンヒルは、いつもファンが集まる見晴らしの良い岩場の近くで左ターンして始まるので、この通路が小さなアリーナのように彩られる。下りはグラベルと石が混在するテクニカルなコースで、目まぐるしい展開となる。

 ラリーディレクターを務めるルーチョ・デ・モリは、次のようにコメントした。

「このステージは、当時の森林管理局長を中心に設計された魅力的なステージだ。トレース作業はほとんどいつも国有林と森林公社の職員と分担しており、彼らはこの地域を熟知しているので、ステージの設計にしばしばアイデアを提供してくれた。さらに、ステージの名前には、国有林や森林の名前を付けるのが通例で、テラノーヴァはその典型的な例だ」

 テラノーヴァのステージは、ラリー・イタリア・サルディニアの歴史の中で最も長く続いているステージのひとつで、今回で12回目の開催となる。