シトロエン・レーシングは今週、C3 R5の最初のテストを行ったことを発表した。
R5マシンはおよそ250馬力の1.6リッター直噴ターボエンジンとシーケンシャルセミオートマチックギアボックスを搭載、2013年の登場以来、プライベートチームやドライバーに支持され、「ミニWRカー」とも例えられてきた。シトロエンはおよそ1年にわたる調査と開発期間を経て、今週、DS3 R5の後継マシンとなるC3 R5の走行テストを開始した。シトロエンによれば、C3 R5のホモロゲーションは2018年の予定だと発表している。
シトロエン・レーシングのチーム代表、イヴ・マトンは次のように述べている。
「我々は今週、このマシンの最初の開発テストを行うことによって重要なマイルストーンに到達することになった」とマトンは語った。
「技術チームに与えられたスペックは明確だ。我々はシトロエンC3 R5を性能、信頼性、および参戦コストの面において新しい基準を設定したいと考えている。我々は、まったく新しい製品を作り出すために、シトロエン・レーシングのWRCでの経験をすべて使用して、トランスミッションのサデフやサスペンション・システムのレイガーなどの大手技術サプライヤーからの協力を加えている」
「シトロエン・ワークスドライバーがこのマシンの開発に参加することになり、ステファン・ルフェーブルとクレイグ・ブリーンが今回の最初のテストセッションを行い、そのあとフランス選手権をリードするヨアン・ボナートが加わることになる」
シトロエンC3 R5のデザイン作業はおよそ1年前に開始され、設計と計算の作業が行なわれるかたわら、すでにメカニカルパーツの大部分のコンポーネンツについては2017年当初からミュール・テストカーで実際に走行テストが行われているという。
シトロエン・レーシングにおいてカスタマーレーシングビークルの開発ディレクターを務めるピエール・ブダールは、C3 R5の仕上がりに自信を見せた。
「フルスペックのマシンによる初テストで、すでに我々はカスタマーに提供するはっきりとした輪郭にかなり近付いている。今回のテストセッションはグラベルで行われ、クルマの耐久性をテストし、基本的なセットアップを微調整するためにさまざまな路面コンディションが選ばれている」とブダールは語った。
「C3 R5とC3 WRCにはダイレクトにリンクするものがある。例えば2台のロールケージは同じエンジニアによって設計されているが、いくつかのソリューションは再利用され、それをレギュレーションや小規模生産の制約に適応させている。同様にエンジンは生産モデルで使用されるユニットに基づいて社内で開発されているため、性能と信頼性の面で最大の可能性を提供できる。我々はまた最高のサプライヤーを仕事のパートナーとして選び、C3 R5を選んだカスタマーの目標を製品として達成し続けることが可能である」
シトロエン・レーシングによれば、今後、さらに高いレベルの完成度を目指してさまざまなプロフィールをもつドライバーを招いてC3 R5のテストをグラベルとターマックで行うという。