WRC2022/06/15

シュコダ、新しいファビアRS Rally2を発表

(c)Skoda

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 シュコダ・モータースポーツは15日、チームの本拠であるチェコのムラダボレスラフのファクトリーにおいて、新しいシュコダ・ファビアRS Rally2を発表した。

 シュコダは、モータースポーツ活動120周年を迎えた昨年から第4世代のファビアをベースとした次世代のRally2カーの開発に着手してきた。

 シュコダのRally2カーは、2015年5月にデビューしたシュコダ・ファビアR5を起源として、のちにカテゴリーの変更に伴いファビアRally2、さらにRally2エボと進化、伝説のラリー・モンテカルロでの4回の優勝を含む約1,700勝を挙げ、合計6つの世界選手権タイトルを獲得するなど、このカテゴリーでもっとも成功したラリーカーとなってきた。

 ファビアRS Rally2はこれらの栄光を継承するとともに、かつてのシュコダ130 RSのような成功した先代のモデルを思い起こさせるために、その名前には「ラリースポーツ」を意味する伝統の「RS」の呼称が授けられている。

 新しいファビアRS Rally2のローンチ・セレモニーでは、WRC2チャンピオンのアンドレアス・ミケルセンのドライブによってマンバ・グリーンに塗られたマシンが登場、彼とともにこのマシンの開発を手がけてきたクリス・ミークやヤン・コペツキといったドライバーたちも紹介されている。

 シュコダ モータースポーツの代表であるミヒャール・フラバネクは、新しいファビア RS Rally2がこれまでのシュコダの栄光を引き継ぐ新しいラリーカーとして誕生したことに自信をみせた。

「立ち止まることは後退を意味し、モータースポーツでは特にそうだ。だからこそ、新しいファビア RS Rally2の開発では、先代モデルで得た経験を活かし、あらゆるディテールを最適化した」とフラバネクは述べた。

「世界で最も成功したラリーカーを改良することが目的だった。この目標を達成するために、献身的に努力したシュコダ・モータースポーツのチーム全員を誇りに思う。また、ファビアの市販モデル開発にあたった仲間にも感謝したい。第4世代のファビアは、ファビアRS Rally2のための完璧な基礎を提供してくれたのだから」と付け加えた。

 ファビア RS Rally2における最大の目玉は新設計のエンジンだ。1.6リッターターボエンジンは、最高出力289bhp、最大トルク430Nmを発生し、5速シーケンシャルギアボックスを介して4輪を駆動する。

 ブレーキシステムにも多くの改良が加えられたほか、ロールケージ用に35.8メートルのスチールチューブを使用し、重量配分を改善したボディシェルの設計にも大きな力が注がれている。

 さらに、新開発のエアロダイナミクス・パッケージ、サスペンションのロングストローク化、電気系統の強化も行われている。

 ファビア RS Rally2はすでに総合的なテストプログラムを終えており、FIAの査察を経たのち、8月1日のFIAホモロゲーションを目指しており、WRCシーズン後半にデビューする予定となっている。