APRC2016/08/08

ストールがシュコダ撃破、APRCチャイナで総合優勝

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 アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第3戦ラリー・チャイナ・チャンイェーは7日に最終日を迎え、デュポン・ラリーチームのマンフレッド・ストール(シトロエンDS3 R5)が前日までのリードに支えられて独走優勝を飾ることになった。彼がAPRCで優勝するのはこれが初めてだ。

 金曜日のSS1からラリーをリードしたストールは、土曜日には一番手という不利なポジションでのスタートのため、チームMRFシュコダのガウラブ・ギルにSS4を終えて2.8秒差まで詰め寄られることになった。しかし、ギルはSS6のパンクで5分近くをロス、ストールは5分12秒という大差をつけて最終日に臨んでいた。

 最終日は、36.81kmというラリー最長のホン・ワンのステージの2回の走行を含む3SS/93.71kmで争われる。ストールはこの日もコースオープナーとして路面掃除を行うことになったため大きくペースダウン、土曜日にエンジンのトラブルでリタイアしてラリー2によって再出走に回ったファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)から43.5秒もの遅れでフィニッシュすることになった。それでも2位のギルとの差はわずかに15秒縮まったにすぎないため、形勢にはまったく影響はない。

 さらにストールはAPRCおよびアジアカップのポイント対象外のため、ギルとしては執拗に追い掛ける必要もない。クライムが3連続ベストタイムで最終日を締めくくるなか、ストールもギルもペースを大きく落として残りのステージをフィニッシュすることになり、ストールがAPRCラリー・チャイナ・チャンイェーを総合優勝することになった。

「僕にとっては初めての経験だ。アジア-パシフィックの選手権のラウンドでの勝利は初めてなんだ!」と44歳のストールは語った。

「素晴らしい気持ちだよ。本当に満足した結果になった。それにオーストリアの国歌を中国で聞けるなんて、なかなかないことだよ!」

 ギルは5分4秒差の総合2位でフィニッシュしたものの、APRC部門では25ポイントとボーナス13ポイントを加算、選手権2位のクライムに対して47ポイント差とさらにリードを広げることになった。

 APRCラリー・チャイナ・チャンイェーの3位にはストールのチームメイトのワン・ファ(シトロエンDS3 R5)、4位にオーストラリアのイーライ・エヴァンス(シトロエンDS3 R3T)が続き、日本から出場した高山仁(スバル・インプレッサWRX STI)も5位で続いている。

 また、FIA選手権に初めて出場したハイブリッド・ラリーカーを駆ったマイケル・ヤング(BYDハイブリッド)は6位で完走を果たしている。

 併催されていた中国ラリー選手権(CRC)ラリー・チャンイェーでは、クリス・アトキンソン(VWゴルフSCRC)が優勝を飾っている。

 APRCの次戦は、9月23〜24日に開催されるラリー北海道となっている。