WRC2021/01/22

スニネン、ロールケージを曲げてモンテをリタイア

(c)M-Sport

 ラリー・モンテカルロのオープニングステージでクラッシュしたテーム・スニネンは、フォード・フィエスタWRCのリヤのロールケージが曲がってしまった続行は不可能となった。

 スニネンは今季、Mスポーツ・フォードとの限定的な参戦という契約ながら、開幕戦をスタートするチャンスを手にすることになり、彼は途中までチームの期待に応える衝撃ともいえる速さをみせていた。

 スニネンはフルウェットとなったオープニングSSのサン・ディスディエ〜コールの最初のスプリットで初日をリードすることになったオイット・タナクと同タイムで通過して最初の驚きをみせることになった。さらに彼はペースを上げて最終スプリットではタナクを0.5秒も上回ることになり、Mスポーツを狂喜させることになった。だが、彼のペースは報われず、残りわずか500mの地点でクラッシュしてしまう。

 やや下りの連続コーナーで、スニネンは右コーナーの出口でマシンをスライドさせてしまいアウト側のバンクにヒット、反動で跳ね上げられたマシンはそのまま横転しながらコースを横切ってリヤから崖下へと転落することになった。

 スニネンはアクシデントの直後、WRC All Liveのインタビューに対して、マシンはリスタートができないほど壊れていると告白、チームに謝罪している。

「ここまではすべてがうまくいっていたし、マシンのフィーリングも良かったが、このコーナーでラインを失ってバンクに接触してしまい、ロールケージを壊してしまった」とスニネンは語っている。

「ペースも良かったし、マシンもとても強かった。なによりチームのみんながここに来るために一生懸命頑張ってきたので、本当に申し訳なく思う。シーズンがこのような形で始まるのは残念だが、ロールケージが曲がっている以上、どうしようもない・・・」

 Mスポーツ・フォードのチーム代表を務めるリチャード・ミルナーは、国境が規制された英国からフランスにマシンを運ぶという困難をクリアしてやっとスタートできたにもかかわらず、このようにあっけなくスニネンのモンテカルロが終わったことに納得がいかない様子だった。

「テームは、最初の数キロは確実にペースを握っていたし、彼のスプリットが入ってきたときのチーム内の盛り上がりは素晴らしかった。しかし、その興奮は長くは続かなかった」とミルナーは語った。

「言うまでもなく、これは誰もが望んでいたスタートではなかった。ここに来るためにチームは本当にハードワークをこなしてきた。やっとマシンをフランスに運び、4日間もテストをしてきたのに、それが報われたようなスピードをみせていただけに本当にがっかりだよ。あのようなタイムを出すことができたのは良かったが、2台のマシンをゴールさせることが目的だったのに、たった1つのステージもそれを成し遂げることができなかったのだからね。歯がゆい思いだよ」

 Mスポーツ・フォードの唯一人の生き残りであるガス・グリーンスミスは初日を終えて総合10位につけている。