WRC2013/10/10

スペインでは忌まわしきスローダウン戦略復活か

(c)M-Sport

 10月24〜27日に行われる次戦のラリー・デ・エスパーニャでは、トップドライバーたちのスローダウン戦略が復活するかもしれない。

 グラベルラリーでは以前、優勝争いをするドライバーが前日の最終ステージで数秒間スローダウンし、翌日の出走順をより有利にするための戦略をとっていたことが問題となっていた。そのため現在は二日目以降、トップドライバーはリバースでのスタートオーダーとなっている。

 しかし、今月末のラリー・デ・エスパーニャは、最初の2日間がターマック、最終日がグラベルのミックスサーフェスイベントとなることから、再び、有利なポジションをめぐってステージ中においてスローダウンするドライバーが出現するものと見られている。

 Day1がターマックのイベントは、ドライバーは選手権の順位通りに走り、Day2以降は初日の順位に従ったスターティングオーダーとなる。すなわち、スペインではDay3のグラベルステージも前日最も速かったドライバーがトップで走ることになり、ドライコンディションである場合、路面の掃除を行わなくてはならないため、不利になってしまう。

 ラリー・デ・エスパーニャ主催者は最終日の出走順をリバースにする特例をFIAに申請したが、FIAはそれを拒否した。マニュファクチャラーは先週、FIAラリーディレクターのヤルモ・マホネンに書簡で再考を促した。

 Mスポーツのチームプリンシパル、マルコム・ウィルソンは次のように語った。

「この件をどう解決したらいいのかよくわからない。このままであればあのおかしな状況が再び起こるが、それを起こさないために前進したのだと思っていた。我々はオーストラリアでFIAに対しその決定に同意できないと言ったが、何も起こらなかった。数年前に起こったことが再び起こってほしくない」

 ラリー・デ・エスパーニャは世界選手権昇格20周年を記念して92年以来のミックスフォーマットを2010年から復活させている。しかし、これまでの開催では初日がグラベルで行われたあと、翌日以降、その順位のままターマックステージに舞台を移していたため、このような戦略は起こらなかった。