WRC2025/06/23

セスクス、サルディニアの悪夢を忘れ新たな挑戦へ

(c)M-Sport

 
 マルティンシュ・セスクスは、ヨーロッパ・ラリー選手権のラリー・ポーランドでの勝利が自信を復活させる起爆剤になったと認めたが、ふたたび全く未知の領域となるアクロポリス・ラリーに挑むのは大変になるだろうと語っている。

 セスクスは今季、Mスポーツ・フォードからパートタイマーとしてWRCに参戦しており、スウェーデンで6位となったあと、ポルトガルではミスを多発して15位となり、サルディニア島で開催された前戦では、金曜日の最初のステージで高速でオフ、リタイアに終わっている。クラッシュは深刻なマシンダメージを引き起こしたため、彼は土曜日のラリーに復帰することはできず、早々に帰国することになった。

 しかし、セスクスは翌週、ポーランドで行われたERCラウンドで圧倒的な強さを見せ、地元の英雄ミコ・マルツィックに1分以上の差をつけて優勝を飾り、見事な復活を遂げている。

「もちろん、自分たちにとっては、正しいことをしている、そして自分たちにはできるという自信を取り戻すために、この勝利が必要だった。まるで新鮮な空気を吸ったようだよ」とセスクスは語った。

「(サルディニアでリタイアとなった後)すぐに帰国したので、みんながラリーに出ている間、僕は故郷で過ごし、何が起こったのかを忘れることができた。そして、新鮮な気持ちでポーランドに向かったことがよかったようだ。マシンに座った瞬間、ただただいいフィーリングだったんだ」
 
 ポーランドはラトビア出身のセスクスにとって5回目の参戦となり、同じように高速なグラベルロードで育ってきた彼にとってはなじみのキャラクターだ。しかし、南ヨーロッパで開催されるポルトガルやサルディニアのようなテクニカルな特性をもつラリーの経験は、彼にはほとんどない。

「ポーランドには何度も参戦しているので、どのようなラリーなのかよくわかっていた。そして昨年のRally1でも最高のパフォーマンスを発揮することができた。しかし、新しいラリーに参戦することがどれほど難しいか、本当の意味ではわからないものだ。僕はギリシャには一度も行ったことがなく、他のドライバーはステージやラリーを走った経験をもっている。全く未知の領域に挑むのは大変になるだろう」と、セスクスは語った。