2025年世界ラリー選手権第5戦ラリー・デ・ポルトガルのシェイクダウンが木曜日の朝に行われ、マルティンシュ・セスクス(フォード・プーマRally1)が4回目の走行を行い、最速タイムを記録した。
5.72kmのバルタール・ステージは数日前の雨でやや湿ってはいたものの、路面には柔らかなグラベルが覆っており、さっそく1回目の走行からフロントランナーを苦しめることになった。最初にスタートを切った選手権リーダーのエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)が3分57.8秒という苦しいタイムに終わるなか、素晴らしい速さをみせて暫定トップタイムをマークしたのは、なんと2番手からスタートしたカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)だった。
彼はエヴァンスを3.1秒も上回るペースを見せ、暫定2番手タイムのティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)に0.4秒差をつけてみせた。
ロヴァンペラは2回目の走行でも自身のタイムを1.8秒上回り、ここでも暫定トップを維持してみせたが、最終的に4回の走行を行ったセスクスが0.6秒上回るトップタイムを叩き出した。
セスクスは2025年にプーマRally1で6戦で参戦する計画をもっており、ラリー・スウェーデンで総合6位となっており、ここで好感触をつかんで、昨年、印象的な走りをみせた夏の高速グラベルラウンドにはずみをつけたいところだ。
ラリー・イスラス・カナリアスでの圧倒的な勝利を飾ったロヴァンペラは、グラベルになってもその勢いを維持しているようだ。最終的にはシェイクダウンで2位に甘んじることになったが、3回のみでシェイクダウンを切り上げたドライバーのなかでは最速だった。
ロヴァンペラは、チャンピオンシップリーダーのエヴァンスに最も近いライバルだが、ここで43ポイント差を縮めるチャンスもありそうだ。彼は、2022年と2023年にポルトガルで優勝しており、3度目の優勝を狙っている。
「グラベルに戻ってこられて嬉しいよ」とロヴァンペラは語った。「ポルトガルはいつも楽しいラリーだ。シェイクダウンは最初から良い感触があった。カナリア諸島のような結果やペースは出せないだろうが、もちろんベストを尽くす。テスト後、グラベルでのマシンのフィーリングはまだ完璧ではないので、改善の余地はあるが、今週末で何ができるか見ていきたい」
ロヴァンペラから0.3秒差の3番手タイムにはヌーヴィル、ポルトガル史上最多の6勝を挙げているセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)がさらに0.8秒差の4位に入り、オイット・タナック(ヒョンデi20 N Rally1)とエヴァンスがトップから1.3秒遅れの6位に入った。
エヴァンスは、金曜日のオープニングレグで路面を先頭で走るという新たなチャレンジに直面する。これは、ポルトガルのルーズで砂っぽい路面では既知の不利な点だ。
「歴史的に見て、ここで路面を先頭で走るのは容易ではないが、我々はできる限りのことをしなければならない」とエヴァンスは述べた。
Mスポーツ・フォードのジョシュ・マクアーリアン(フォード・プーマRally1)は7番手タイム、8番手には勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)、9番手にはアドリアン・フールモー(ヒョンデi20 N Rally1)、サミ・パヤリ(トヨタGRヤリスRally1)が10番手で続いた。