WRC2021/05/26

セスクスがジュニアWRCで今季初優勝

(c)M-Sport

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 ラトビア出身のマルティンス・セスクスがラリー・デ・ポルトガルのジュニアWRCでキャリア2度目となる勝利を挙げ、今季シリーズのランキングトップに踊りでている。

 フォード・フィエスタRally4のワンメイクで争われるジュニアWRC第2戦のポルトガルには8台がエントリー、前戦クロアチアで初勝利を飾ったeスポーツWRC王者のジョン・アームストロングの素晴らしい速さで始まることになった。

 アームストロングはSS2のベストタイムでラリーリーダーに立つや、4連続ベストタイムで2位のサミ・パヤリに36秒もの大差をつけることに成功する。しかし、彼はSS6アルガニルでパンクのためにタイヤ交換を行ったが、作業中にジャッキが外れる問題で4分30秒もの致命的ともいうべきタイムを失って後退してしまう。

 これで首位に浮上したのはパヤリ、10秒差の2位にはスロバキアのマルティン・コチ、23.9秒差の3位にセスクスというオーダーで土曜日を迎えることになったが、ポルトガルの過酷なグラベルステージは、この日もWRC期待の新星たちを苦しめることになった。

 パヤリは朝のループでパワーステアリングの問題から3分あまりをロスして首位から陥落、コチもドライブシャフトの問題でリタイアとなったため、セスクスはパヤリに3分20秒のリードを築いて最終日を迎えることになった。

 多くのライバルたちがトラブルに見舞われ、デイリタイアを経験しないまま最終日を迎えたのはわずか3台という荒れたラリーとなったが、そのなかの一人となったセスクスも大きなトラブルを経験することなく、SS11以降のリードを守りきって、最終的にパヤリに3分11秒8差をつけて勝利を手にしている。

「非常にラフな厳しい週末を終えてできたすごくホッとしているよ」とセスクスは語っている。「本当に今週はずっときつかったから、こうしてフィニッシュできて、しかも1位になれたのは本当に嬉しい」

 初日のパンクで大きく遅れたアームストロングは、土曜日も素晴らしい速さをみせて3位まで浮上してみせたが、無情にもエンジンのトラブルでリタイアとなり、最終日のリスタートを断念することになり、パヤリから8分50秒遅れの3位にはロバート・ヴァーヴが入っている。彼は1日目に起きた2度のパンクから見事にリカバーし、コチを上回ることに成功している。

 ウィリアム・クレイグトンも同様の問題により前日にストップを余儀なくされているが、北アイルランド出身の彼は復帰し、5位でフィニッシュ、続いてラウリ・ヨーナが6位となっている。

 ラウル・バディウもステアリングアームを壊して初日にリタイアとなっており、同じくエンジントラブルが見つかったことから土曜日以降のリスタートを見送っている。