オリヴァー・ソルベルグは先週のアクロポリス・ラリー・ギリシャでまさに別格の強さを見せてWRC2カテゴリーで圧倒的な勝利を収め、ここから卒業できる日が近いことを想起させるほど一段レベルが高いラリーマネジメントを見せることになった。
アクロポリス・ラリーは非常に過酷なコンディションとなったが、ソルベルグは完璧なマシンコントロールでそれを乗り越えてWRC2で今季3勝目を飾るとともに総合でも6位でフィニッシュしてみせた。
ソルベルグのラリーマネジメントはきわめて印象的だった。多くのドライバーたちがひどいトラブルに見舞われるなか、彼はストレスや疲労を感じた様子を見せなかった。圧倒的なスピードをみせながらも、1度もパンクをすることなく、まったく無傷で完璧なゴールを迎えたのだ。
ソルベルグはギリシャにおける戦略面でのアプローチは最初から明確だったと説明した。
「僕たちは木曜日の夜に計画を立てた。『いいリズムを見つけて、常に目をしっかり開いておこう』という感じだった」とソルベルグは語った。
「たとえタイムを失っても、見つけた岩は必ず避けるという決断をした。そして、慣れている場所では思い切りプッシュした。プッシュすればタイムを奪えると分かっていた。さらに土曜日のタイムマネジメントも非常に役に立った。本当に完璧だったよ。そして日曜日は、ただクルージングするだけで良かった」とソルベルグは説明した。
ギリシャでの成功は、速く走ることと、ゆっくりと走ることの見極めにかかっている。そして、マシンを直線に保ち、タイヤに負担をかけないようにすることで、タイヤの摩耗を避ける。そして重要なのはタイヤのマネージメントだ。
ソルベルグはこの週末だけでなく、今季、さまざまなラリーでタイヤマネージメントのノウハウに関して、セバスチャン・オジエに多くを聞き出してきたと認めた。オジエがRally1の最後尾を走り、ソルベルグがWRC2の先頭を走ることが多かったため、ロードセクションでの待ち時間が貴重なレッスンの機会になった。
「彼とはこれまでもよく話をしてきた。日中はいつも彼のクルマを探して隣にクルマを停めるんだ。そして、いつも質問をするんだ。彼は本当に親切で、いつも話好きで、僕が聞いたことになんでも答えてくれる。彼には何でも聞くけど、一番大切なのはタイヤについてだ。彼はタイヤマネージメントの王様だからね」
ペースに関しては、ソルベルグはすでにWRC2を卒業できるレベルを証明してきたが、今回のギリシャの過酷なグラベルコンディションの中で、これまでとは次元の違うレベルでのレースコントロールを成し遂げた。
「僕の中で最高の勝利といえば、いつもラリー・スウェーデンだった。いつもお気に入りの場所だし、フィンランドも同じく最高だ。あそこではパフォーマンスが求められるし、多くのドライバーと競う必要があるからね。しかし、安定性、コントロール、そしてスピードという点で、このギリシャはおそらく僕にとってこれまでで一番の週末になったと思う」とソルベルグは熱く語った。