WRC2023/05/14

ソルベルグ、1分のタイムペナルティで2位後退

(c)RedBull Content Pool

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 ラリー・デ・ポルトガルの二日目も素晴らしいペースでWRC2の首位を守ってみせたオリヴァー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は、この日の最終ステージのロウサダ・スーパーSSのゴール後に観客をよろこばせるためにドーナツターンを披露、1分のタイムペナルティを課せられることになった。これでラリーリーダーはガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS Rally2)となり、ソルベルグは24.6秒遅れの2位に後退している。

 ソルベルグは、初日の金曜日を終えたところでグリーンスミスに50.2秒のアドバンテージを築いていたが、土曜日の最初のステージ、SS9ヴィエイラ・ド・ミーニョでスピンを喫して10秒以上を失い、ピレリタイヤの消耗を管理していくことの難しさを実感する。SS12でも、エンジンパワーを奪う謎の問題が発生しているが、エアフィルターをリフレッシュしたあとはペースを取り戻し、グリーンスミスに35.4秒をつけてこの日をフィニッシュした。

「ここにいることができて嬉しいよ」とソルベルグは最終ステージのステージエンドで喜びを語った。「安定していて、いい一日だった、でも午後は超荒れていたからとにかく着実に走るようにした」

 だが、このロウサダ・スーパーSSのフライングフィニッシュのあと、ストップコントロールまでの間に観客の声援に応えるためにコース上でドーナツターンを披露、これがこの日の夜のスチュワードミーティングで問題となっている。

 スチュワードミーティングに召喚されたソルベルグとコドライバーのエリオット・エドモンドソンは、「ドーナツを行ったのはスペシャルステージの一部であり、観客のために良いショーを行っただけで安全でない状況を作り出したわけではない」と説明したものの、スポーティングレギュレーション補足規定第12条21項では許可された場所以外ではいかなる「展示走行」を厳しく禁止しており、スチュワードは1分のペナルティを課している。

 ソルベルグはこのペナルティにより2位に後退、グリーンスミスが24.6秒をリードして最終日をスタートすることになった。

 土曜日に素晴らしい追い上げをみせたのはアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRS Rally2)だ。金曜日にパンクに見舞われた彼は、巻き返しを目指して激しくプッシュ、ヴィエイラ・ド・ミーニョ2回目の走行でヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)から総合3位を奪うと、グリーンスミスから53.0秒差でこの日を終えている。

 ロッセルのC3は、午前中にサスペンションのダンパーが破損し、先行するドライバーたちの脅威となることはなかった。ハンドブレーキの不具合に苦労していたテーム・スニネン(ヒョンデi20 N Rally2)は、2回目のアマランテでタイヤ交換のために停止したマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビア Rally2エボ)を抜いて5位に入っている。

 ブラチアは、WRC2チャレンジャーシリーズではトップに立っており、また50歳以上のドライバーが対象のWRC2マスターズカップではアレクサンダー・ヴィラヌエアヴァ(シュコダ・ファビアRS Rally2)がリードしている。

 ゲオルグ・リンナマエ(ヒョンデi20 Rally2)とファブリツィオ・サルディヴァール(ヒョンデi20 Rally2)はクラッシュでリタイア、地元ドライバーのミゲル・コレイア(シュコダ・ファビアRally2エボ)にはエンジントラブルが発生している、アーミン・クレマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)もホイールスタットの破損でリタイアしている