WRC2021/03/03

ソルベルグ「今までにないほど笑顔になれた」

(c)Oliver Solberg

(c)Hyundai

 19歳の期待の星のオリヴァー・ソルベルグは、アークティック・ラリー・フィンランドでヒュンダイi20クーペWRCに乗ってトップカテゴリにデビューし、世界中のラリーファンをドキドキさせるドライブを披露して7位に入賞した。

 最終ステージでスピンを喫したことにより、ソルベルグはわずか1.2秒差で6位の座を逃したが、スウェーデン出身の『スーパーソニック』は、サービスパークが予想していた以上の走りを見せた。

 ソルベルグは、ヒュンダイ・モータースポーツのチーム代表を務めるアンドレア・アダモがWRカーへのステップアップの機会を与えてくれたことに感謝を述べた。

「この気持ちを表現する言葉を持ち合わせていない」とオリヴァーは語った。「本当に信じられない。僕のキャリアの中で最も大きなことだ。アンドレアやヒュンダイ・モータースポーツのみんな、そして2Cコンペティションチームのみんなに感謝の気持ちを伝えたい。僕たちは今、サンタクロースの故郷にいるので、サンタクロースが素晴らしいプレゼントをくれたんだと思う!」

「アンドレアがこのイベントの話をしてくれたとき、僕はとても興奮した。でも同時に、心の中で、どうなるだろうと少し不安に思っていた」

 オリヴァーはその疑問に、力強く、かなり驚くべきスピードで答えた。シェイクダウンでヒュンダイi20クーペWRCの理解を深めるために数回の走行を行った後、彼は早くも2つめのステージで4番手タイムを叩き出した。そして土曜日の朝にはさらに上を行き、SS3では3番手タイムを記録した。

「エアロを理解するのが難しいことはわかっていた」とオリヴァーは語った。「でも、このスピードが心地よいことは確信していた。ラリーの序盤でこのようなタイムを出せるとは思っていなかった。とても楽しかったよ。ラリーの前にアンドレア(・アダモ)が、プレッシャーはないと言っていたので、自分が楽しんでいることが重要だった。今は、これまでよりも笑顔が増えた」

「ヒュンダイi20クーペWRCは、グリップも強く、パワーも大きく、ドライブするのに素晴らしいマシンだった。マシンに乗っていた時やイベントの中盤は、ドライブに集中していて、いろんなことが何を意味するのかあまり考えていなかった。でも、ステージの合間にセバスチャン・オジエの後ろに停車して、ステージ前にホイールを交換したり、マシンの整備をしたりしていたときに、少し立ち止まって考えたんだ。『すごい!信じられない。僕は今、ここにいて、世界チャンピオンと戦ってる!』ってね」

「もちろん、セブが難しい出走順にいたことは理解しているし、それが金曜日に彼のタイムを奪ったことも理解している。しかし、彼とレースできることは最高なことだ。彼は最高だよ」

 ソルベルグは最終ステージであと僅かなところでパワーステージのポイントさえ獲得できそうなところまで攻めたが、ハイスピードでスピンを喫して、そのチャンスを失うとともに6位から7位へと後退することになった。それでも彼は楽しそうに笑顔でのゴールを迎えていた。

「次いつドライブできるのか分からないので、思いっきり走ろうと思ったんだ!」とソルベルグは語った。

「でも、フィニッシュ付近でスピンしてしまい、6位を失った。6位のほうが良かったが、この結果を受け入れるつもりだ。やってしまったことは残念だが、とにかく挑戦した! 10ステージ中、6つのステージで5番手以内のタイムだった。これは僕が夢見ていた以上のものだ。驚くべきことで、まだ信じられないよ」