WRC2025/07/24

ソルベルグが達成した奇跡ともいえる快挙

(c)Toyota

 オリヴァー・ソルベルグは、ラリー・エストニアで23歳と297日という史上3番目の若さでWRC初勝利を飾り、2021年のラリー・エストニアでカッレ・ロヴァンペラが優勝して以来の新しいWRCウィナーであり、1973年にWRCが誕生して以来、81人目のWRCウィナーとなった。

 ところで、81人の歴代WRCウィナーのなかで、同じ週末にキャリア初のベストタイムとともに初優勝を達成したのは、ソルベルグを含めてこれまでに8人しかいない。ソルベルグは、1988年のラリー・ニュージーランドにおけるセップ・ハイダー以来、実に37年ぶりとなる、奇跡ともいえる快挙だ。
 
■初のベストタイムと初優勝を同一イベントで達成したドライバー一覧
2025年エストニア O.ソルベルグ(トヨタGRヤリスRally1)
1988年ニュージーランド S.ハイダー (オペル・カデットGSi)
1986年ポルトガル J.ムーティーノ(ルノー5ターボ)
1977年フィンランド K.ハマライネン(フォード・エスコートRS1800)
1974年ポルトガル R.ピント(フィアット124アバルト)
1973年USA W.ボイス(トヨタ・カローラTE27)
1973年スウェーデン S.ブロンクヴィスト(サーブ96 V4)
1973年モンテカルロ J-C.アンドルエ(アルピーヌ・ルノーA110)

 1988年のニュージーランドは、ドライバーズ選手権のタイトルのみがかかった欧州圏外の一戦であり、マニュファクチャラー選手権がかかってなかったため、ランチア、フォード、アウディ、トヨタといった主要ワークスが参戦していなかったため、オーストリア人のハイダーが異例の記録を達成した。

 1986年のポルトガルは観客の死亡事故のため、主要ワークスがラリーから撤退したため、ポルトガル・チャンピオンのムーティーノがこの栄光を手にすることになった。
 
 そのほかはWRCが誕生して間もない1970年代に達成されたものだ。

 1990年代以降、多くの伝説的なドライバーやワールドチャンピオンが誕生してきたが、誰ひとり成し遂げることができなかったことからも、この記録を達成することがどれほど難易度が高いかということはわかるだろう。ユハ・カンクネン、カルロス・サインツ、コリン・マクレー、トミ・マキネン、セバスチャン・ローブ、セバスチャン・オジエ、そしてロヴァンペラでさえ、この記録には届かなかったのだ。
 
 WRCの黎明期ならいざしらず、現代のWRCでこのような記録が誕生することは、今後もう二度とありえないかもしれない。