オリヴァー・ソルベルグ(トヨタGRヤリスRally2)はアクロポリス・ラリー・ギリシャの最終日も盤石の走りをキープ、WRC2で今季3勝目を飾るとともに、選手権トップに躍りだした。
ソルベルグは木曜日の夜に行われたアテネ・スーパーSSでWRC2をリード、過酷なコンディションのなかでライバルたちが次々とパンクなどの問題に見舞われるなか、信じられないことにまったくトラブルとは無縁のラリーを最終日まで続けることになった。
レグ1では7ステージのうち6ステージでベストタイムを奪い、その速さが光ることになったが、土曜日のレグ2以降は、多くのライバルたちが危険なコンディションの罠に落ちるなかで、ペースを落とすところはきっちりと落とす、冷静なパフォーマンスをみせ、最終的に後続に53.8秒差をつける圧倒的な勝利を飾り、WRC2ランキングでヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)を逆転してトップに立った。
2004年に彼の父、ペターがアクロポリス・ラリーで初優勝して以来21年、ふたたびソルベルグがポディウムの頂点に立つことになった。「どこから話せば良いのか分からないけど、本当に完璧な週末だった。終わってほっとしている。ギリシャのラリーを完璧にこなすのは難しいものだ。最近多くのラリーで優勝できて、選手権もとても良い感じだ。クルマは素晴らしかったよ、チームには本当に感謝している。そしてエリオット(・エドモンドソン)もいつものように素晴らしい仕事をしてくれた」
ソルベルグが圧勝を飾るなか、WRC2のドラマは彼の背後で展開された。金曜日のメカニカルトラブルとタイヤトラブルで6位まで後退したロッセルは、じょじょに挽回して日曜日を総合4位でスタート。3位のカイエタン・カイエタノヴィッチ(トヨタGRヤリスRally2)とは5.1秒差だった。
ロッセルは、最初のステージでカイエタノヴィッチを抜き去り、すぐに2位のガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS Rally2)に狙いを定めた。パワーステージに入る時点で、グリーンスミスのリードはわずか5.5秒だった。
だが、最終ステージではグリーンスミスがロッセルに9.7秒もの大差をつける圧巻のトップタイムを奪い、最終的に15.2秒差をつけて2位を確保することになった。
ロッセルは3位入賞を果たしたが、タイトル争いでは、ソルベルグに5ポイント差でトップを譲ることになった。
カイエタノヴィッチは表彰台こそ逃して4位となったものの、WRC2チャレンジャー部門で優勝、選手権首位のロベルト・ダプラ(シュコダ・ファビアRS Rally2)から5ポイント差の2位に入った。
カイエタノヴィッチから1分30秒遅れの5位にはアレハンドロ・カチョン(トヨタGRヤリスRally2)、6位にはベテランのマルティン・プロコップ(シュコダ・ファビアRS Rally2)、7位にはエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRS Rally2)が続いている。
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀(トヨタGRヤリスRally2)は金曜日のリタイアはあったものの、チャレンジャー部門で4、5番手タイムを並べ、チャレンジャー部門の15位、WRC2では20位でフィニッシュしている。また、土曜日の朝クラッシュした小暮ひかる(トヨタGRヤリスRally2)は最終日のりスタートを断念している。
WRCマスターズカップでは、ミゲル・グラナドス(シュコダ・ファビアRS Rally2)がトルコのウグル・ソイル(シュコダ・ファビアRS Rally2)に6分の大差をつけて優勝した。