RallyCross2017/10/02

ソルベルグはエステリンクで4位も選手権2位キープ

(c)FIAWorldRallycross.com

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 ドイツのエステリンクで行われていたFIA世界ラリークロス選手権第11戦は1日に最終日を迎え、わずか6日前に鎖骨の手術をしたとは思えない走りでQ3とQ4を制して圧巻のポールポジションを決めることになったペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI)がファイナルレースのスタート直後の1コーナーでの小さなミスが響いて4位に終わるなか、ESKチームのマティアス・エクストローム(アウディS1)が5月の第3戦以来5カ月ぶりの勝利を飾っている。

 ファイナルをポールポジションからスタートしたソルベルグは、ここでも完璧な走りが期待されたが、1コーナーでの進入スピードが速すぎたために彼と並んでフロントローからスタートしたエクストロームにインを明け渡すことになる。

 2番手へと後退したソルベルグは猛追を開始してエクストロームに迫ろうとするもケヴィン・ハンセン(プジョー208 WRX)からの激しいプッシュにより2ラップ目の1コーナーでふたたびワイドになってしまい、ケヴィンとともにティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)にも抜かれて4位に後退、やむなくジョーカーラップを選択することになる。

 3ラップ目にハンセン兄弟がヘアピンで接触、ケヴィン・ハンセンが左サスペンションを壊してペースダウンするなか、エクストロームは悠々とトップを快走、ティミー・ハンセンに2.6秒差をつけて5カ月ぶりの勝利を獲得。3位にはEKSチームのトーマス・ヘイッキネン(アウディS1)が続くことになった。

 また、2ラップ目にジョーカーを選んだソルベルグはトラブルを抱えたケヴィン・ハンセンに阻まれて渋滞が発生するなかでペースアップを図ることができず、けっきょく最終ラップの1コーナーでスピンしたケヴィン・ハンセンをパスして4位でフィニッシュするのがやっとだった。

 それでもソルベルグはドライバーズ選手権ではエクストロームにわずか1ポイント差まで迫られてしまったが、鎖骨と肋の骨折からエステリンクRXの欠場の危機に見舞われながらも強い決意でレースを戦い、どうにか2位を守ることに成功している。

「鎖骨の手術後わずか6日後にもかかわらず、予選トップでセミファイナルでも勝てるなんて信じられないほどの気分だよ。ファイナルは残念だったが、僕はそうは思えない。本当に勝利がほしかった。それは夢の話だったが、実際に僕と家族とチームにとってまさしく大きな勝利を達成したにほかならない。ラトビアのリガでのクラッシュの後に走れる可能性は本当に低かったし、正直なところ私のシーズンはすべて終わったかもしれないと思った。しかし、僕はまだマティアスを1ポイント先行しており、選手権の2位をキープしており、バトルは最終戦の南アフリカに持ち越されることになった。僕はそれを最後までキープすることを目指すよ!」

 初めてのファイナル進出のニクラス・グロンホルム(フォード・フィエスタ)が5位でのゴールを迎えることになった。Q4では自己ベストとなる2番手タイムを叩き出して予選は12番手ぎりぎりでセミファイナルに進出、セバスチャン・ローブ(プジョー208WRX)をジョーカーラップで下して見事ファイナルへのチケットを初めて掴むことになった。

 2017年のワールドチャンピオン、ヨハン・クリストファーソン(VWポロGTI)はセミファイナルでの1コーナーでの混乱により6位に終わったためファイナルを逃している。

 昨年のエステリンクRXで衝撃的な1コーナーでの逆転劇で初優勝を飾ったケヴィン・エリクソン(フォード・フィエスタ)は、今年は予選8位もセミファイナルで敗退することになった。