WRC2017/07/28

タナク、フィンランドのSS1を制して首位発進

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 2017年世界ラリー選手権(WRC)第9戦ラリー・フィンランドが、木曜日の夕方に行われたハルユの市街地ステージで開幕、Mスポーツ・ワールドラリーチームのオット・タナク(フォード・フィエスタWRC)が前戦ポーランドまで最後まで首位争いを演じたヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)に対して1.1秒をリード、またも二人の因縁の対決となりそうな予感が漂うスタートとなった。


 すっかりオープニングステージとして定着したハルユのステージは、ホストタウンがおかれるユヴァスキュラ市内の大通りと学園内の公園通りを結んだ2.31kmという短いステージだが、路面はグラベル、石畳、さらにはメンストリートのターマックがミックス、公園内のステージは狭い木々の中を走るスリッキーな難ステージだ。

 タナクは前戦ポーランドの最終日のクラッシュで惜しくも優勝を逃したものの、引き続きマシンへのフィーリングに自信をもっており、このステージでも1分14.1秒のベストタイムを獲得、ラリーリーダーとしてスタートすることになった。

「このようなイベントはいつも笑顔になるよ」とタナク。明日から始まる高速のステージにむけて、自信に満ちたコメントを発している。「このようなステージに敬意をもっている。いいフィーリングがあれば楽しめるはずだ」

 2位につけたヌーヴィルだが、彼にとっては優勝争いよりも、残された5戦でいかに選手権リーダーのセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)に追いつくかが重要になるが、ひとまず彼は0.4秒差でオジエを下して初日の目標を果たしている。

「難しいイベントになるだろう」とヌーヴィルは語った。「大事なことは楽しんで、セブと接戦を演じ、そして最後は彼の前でフィニッシュすることだ」

 昨年のフィンランドでキャリア初のポディウムを達成したクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)がオジエから0.1秒遅れの4番手タイム、地元のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)もさらに0.6秒差の5番手タイムで続いている。

 6番手にはヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)、7番手にはシェイクダウンでシケインにヒットしてラジエータを交換して臨んだユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC)が続き、シェイクダウンを制したクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)はここでは慎重な走りに徹して8番手にとどまることになった。

 また、トヨタの新鋭エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)は予想より狭くなっていたシケインのタイヤに軽く接触してしまい、5.7秒差の13番手と出遅れている。

 また、WRC2カテゴリーは、シュコダ・イタリアのウンベルト・スカンドラ(シュコダ・ファビアR5)がトップ、トミ・マキネン・レーシングから出場する勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は1.9秒遅れの6番手、新井大輝(フォード・フィエスタR5)も勝田から0.1秒差の7番手タイムでスタートしている。

 明日の金曜日は朝6時から夜の21時までの長丁場の一日となる。オープニングステージは7.65kmのハリネンとなり、現地時間7時12分(日本時間13時12分)からスタート予定となっている。