WRC2018/07/31

タナク、マルティンのようにここで勝利したかった

(c)Toyota

 数えきれないほどのエストニア国旗が風に揺れたラリー・フィンランドのポディウム。その頂点に立ったトヨタのオイット・タナクは、彼の師匠マルコ・マルティンと同じことができたことは信じられない気分だと語った。

 地元のドライバーが圧倒的に有利だと言われていた時代、マルティンはエストニア人として2003年のラリー・フィンランドで史上3人目のノンスカンジナビアンのウィナーに輝いている。

 マルティンを追い掛けてきたタナクは、祖国のヒーローがかつて達成したフィンランドでの勝利を自身も実現できたことをまるで魔法のように感じつつも、これまでのフィンランドのなかで最高のフィーリングで走ることができたと明かした。

「マルコ(・マルティン)が勝ったフィンランドで勝利できたことは、僕にとってもアメージングだ。彼が成し遂げたことを僕が実現できたのは、これが初めてだ。彼は僕の師匠であり仲のいい友人なので、これは間違いなく非常に特別な勝利だ」とタナクは語った。

「これほど多くのエストニア国旗が振られるステージを走ることは特別な気分だった。そして彼らの応援に応えるためにも僕はプッシュしなければならなかった。文句なしの結果だ。僕たちにとって完璧な週末だったよ」

 タナクは3番手走行で路面掃除を強いられながらも金曜日に首位に立つという離れ技をみせ、土曜日にステアリングに問題を抱えたが、23のステージのうち12ステージでベストタイムを奪って圧勝。彼はこれまでのフィンランドのなかで最高のフィーリングで走ることができたと明かした。

「かなりドライだった金曜日は路面にはルースなグラベルも多く、僕にとって明らかに非常に厳しいコンディションだった。土曜日にジャンプの着地が少し横向きになって、コラムが少し曲がり、片側だけうまくターンできなくなる小さな問題もあったし、非常にラフなステージもあったので、注意しなければならなかった」

「だが、マシンはずっとこれまでのフィンランドで最高のフィーリングだったし、今日のパワーステージも完璧だった。マシンにはなに一つ不満はなく、すべてが完璧に動き、僕は満足していた。ここで勝つためにはその自信が必要なんだ」