WRC2018/11/18

タナク、史上最大の奇跡の逆転王座なるか?

(c)Toyota

 トヨタのオイット・タナクはラリー・オーストラリアの二日目を終えて今季5勝目にむけて独走態勢を築いており、悲願のワールドチャンピオンへの望みをつなぐことになった。

 タナクは、2位につけるチームメイトのヤリ-マティ・ラトバラに対して21.9秒差をつけて最終ステージをフィニッシュしたあと、勝利にむけて大きなリードを築くことができたが、自力でのタイトルが不可能である以上、自身にできることは何もないと冷静に分析している。もちろんタイトルを争うライバルに何かあれば異なるシナリオとなるだろう。

 選手権はこれまでの12戦を終えて、セバスチャン・オジエは204ポイント、ティエリー・ヌーヴィルが201ポイント、そしてタナクは181ポイントという状況にある。最終戦オーストラリアの土曜日の時点での順位のまま最終日をフィニッシュすると、現在6位のオジエは212ポイントへとポイントを伸ばし、8位のヌーヴィルは205ポイント、タナクは優勝しても206ポイントとなるため、タナクもヌーヴィルもパワーステージで5ポイントを獲得してもオジエには届かない計算となり、オジエが6年連続でのワールドチャンピオンを決めることになる。

 しかし、もし最終日、オジエがノーポイントに終わるような事態になれば、タナクはこのまま優勝すればパワーステージに関係なくオジエをポイントで上回ることになる。しかし、上の計算のようにヌーヴィルとのポイント差が拮抗しているためタナクが王座を決めるためにはパワーステージでの勝負になり、もしドライコンディションになれば条件はタナクに有利に働くことになる。

 もちろん3人が同ポイントでフィニッシュする事態となったら、4勝のオジエ、3勝のヌーヴィルを上回ってシーズン最多の5勝を誇るタナクが王者となる。

 もし、タナクが幸運の女神を味方につけて、明日、新チャンピオンになった場合には、第7戦サルディニアを終えた時点での選手権リーダーにつけられていた72ポイント差をひっくりかえし、WRC史上最大の大逆転によるチャンピオンが誕生することとなる。

 ドライバー選手権が誕生した1978年からこれまで40年間において、シーズン内でもっとも大きいポイント差を逆転したチャンピオンは、1991年に5勝して32ポイントをリードしたカルロス・サインツを最終戦で抜いて3度目の王者に輝いたユハ・カンクネンだった。

 大きなポイント差を逆転したチャンピオンの歴代記録トップ5は次のとおりだ。

1: 1991年カンクネン(サインツの32ポイントリードを逆転)
2: 1981年バタネン(フレクランの31ポイントリードを逆転)
3: 1995年マクレー(サインツの30ポイントリードを逆転)
4: 2001年バーンズ(マキネンの25ポイントリードを逆転)
5: 2003年ソルベルグ(ローブの18ポイントリードを逆転)

 優勝者に与えられるポイントは時代によって変わっており、1979-1996年は20ポイント、1997-2009年までは10ポイント、2010年以降は25ポイント、さらに現在ではパワーステージでの勝者にはボーナス5ポイントが与えられるため、大差がつきやすいことは確かだが、タナクの逆転王座が実現すれば、まさしくWRCの歴史に残る空前の記録による新チャンピオン誕生になる!