WRC2025/11/27

タナク、SS1を制してサウジアラビアをリード

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 2025年世界ラリー選手権(WRC)最終戦のラリー・サウジアラビアが水曜日に行われたジャミール・モータースポーツ・スーパースペシャルで開幕、ヒョンデ・モータースポーツのオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)がトップタイムでラリーをスタートした。彼はこのイベントを最後にしばらくの期間、WRCから距離を置くことを発表しているだけに、ヒョンデのためにも勝利でシーズンを締めくくりたいところだろう。

 壮大なスタートセレモニーに続いて行われたオープニングステージのジャミール・モータースポーツ・スーパースペシャルは、サービスパークが置かれるジェッダ・コーニッシュ・サーキットに隣接する広大な駐車場で行われる特設ステージを2台が併走で争う。このスーパースペシャルは、明日以降の舞台となる荒れた岩だらけのステージとはまったく異なるアスファルトの路面をもつステージであり、プラスチック製とコンクリート製のバリアが張り巡らされてコースが作られており、ステージの途中にはここだけがグラベル路面のジャンプ台も設置される。アスファルト路面にはうっすらと砂が積もって滑りやすくリスキーなコンディションだ。

 このウォームアップステージで、タナクはセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)に1.2秒差をつけるトップタイムでラリーをスタートすることになった。「自分たちのクルマのパフォーマンスにはまだ少し確信が持てないが、今年これまでよりも信頼性は少し良くなっていることを期待している。なかなか予想は難しいけど、あとは思い切り行ってベストを尽くすだけだ」

 2台併走のこのステージで、オジエは、選手権を争うチームメイトのエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)との直接対決を制して、2番手でラリーをスタートすることになった。彼は、タイトル争いのライバルを下したことが心理的なアドバンテージを生むか聞かれたものの、明日からが本番だと一笑に付している。「明日が本物のスタートだからね。ここではラリーに勝つのではなく、負けないことが大事だと十分に経験で分かっている。何度も言ったけど、週末は厳しいものになるだろう」

 トップから1.6秒遅れの3番手タイムには、ラリー・フィンランド以降、久しぶりにWRCに帰ってきたマルティンシュ・セスクス(フォード・プーマRally1)、4番手にはティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)が続いている。

 初のタイトル獲得を目指すエヴァンスは、オジエから0.9秒遅れ、トップのタナクから2.1秒遅れの5番手タイムでのスタートとなったが、明日以降の戦いに向けて冷静でいなければならないと語っている。「最後まで走りきること自体が大きな課題だ。だが、今週末は冷静に考えながら走らなければならない。どうなるか見てみよう。全力を尽くすだけだよ」

 もうひとりタイトルの可能性をもつカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)はシェイクダウンではトップタイムを奪ってみせたが、このトリッキーなターマックステージではトップから2.5秒遅れの6番手タイムに終わり、自身のドライビングを酷評した。「ドライビングに関しては本当にひどいものだった。アンダーステアがずっとひどかったよ。明日のグラベルではもっと良くなることを願うしかない」

 アドリアン・フールモー(ヒョンデi20 N Rally1)を0.3秒差で抑えたサミ・パヤリ(トヨタGRヤリスRally1)が7番手タイム、この砂だらけのステージでペースを抑えた勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が9番手で続いている。「こういうラリーでは何が起きるか分からないからね。うまくいくことを願っているし、まあ自信はある」

 グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)がチームメイトのジョシュ・マクアリーン(フォード・プーマRally1)との対戦を制して10番手で続いている。

 また、10年ぶりにWRCのトップカテゴリーに帰ってきた20回目の中東チャンピオンに輝いたナッサー・アル-アッティーヤ(フォード・プーマRally1)は、スタートの判断を完全に誤り、ジャンプスタートで10秒のペナルティを科せられている。それでも彼は「グリーンが見えた瞬間にはスタートしていたんだ。でも、だいじょうぶ。いいステージだったし、先は長いよ」と、ステージエンドで笑顔をみせている。

 ラリー・サウジアラビアは木曜日から本格的な競技がスタート、土曜日にラリーをフィニッシュする。