WRC2018/03/10

タナクのクレバーな走りをマキネンが高評価

(c)Toyota

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 トヨタGAZOOレーシングWRTは、ラリー・メキシコのDAY1でヤリ-マティ・ラトバラとエサペッカ・ラッピがリタイアを喫したが、オット・タナクが首位から11秒差の3位につける健闘をみせている。

 木曜日の夜にグアナファトの銀鉱跡で行われた美しいナイトステージを終え、いよいよ金曜日からラリーはメキシコらしい風景が広がる山岳地帯や荒野のグラベルへと舞台を移した。午前中最初のステージがスタートする頃にはかなり気温が上昇、ラトバラはこの日のオープニングSSから水温上昇によりパワーロスの症状を訴え、SS3エル・チョコラテではオーバーヒートに見舞われることになり、50秒遅れの7位で朝のループを終えることになった。また、ラッピもセーフティモードに苦しみ10位まで順位を落とすことになる。

 二人にとっては厳しい戦いとなり、ラトバラは午後になってオーバーヒートの問題に改善が見られてSS8では3番手タイムを奪ったものの、オルタネーターのトラブルにより不運なリタイア。今回がメキシコ初出場だったラッピもSS7でコースオフしてリタイアとなった。

 また、タナクも午前中の序盤では水温上昇に悩まされて5位に順位を落としたが、その後、チームの対策によってペースを上げることに成功、SS8から3連続でベストタイムを記録、トップと11秒差の3位で金曜日を終えることになった。

「暑さでエンジンの温度がかなり高くなったので、午前中はできるだけ上がらないように調整しながら走ったが、デイサービスでチームが素晴らしい仕事をしてくれたので、午後はかなり状況が改善され、思い切って攻めることができた」とタナクは語った。

「このクルマでグラベル・ラリーを戦うのは初めてだったので、学ばなくてはならないことがたくさんあったが、全体的には良い1日だったね。自分よりも上位の選手と比べると出走順はやや不利だったが、何とか彼らに大きく離されずにすんでいる。明日もうまく行くことを願うよ」

 チーム代表のトミ・マキネンも、厳しいコンディションとの戦いのなかでタナクがクレバーな走りをみせたことを喜んだ。

「オットは今日、本当に素晴らしい仕事をした。難しいコンディションだったが非常にクレバーに戦い、クルマの性能をフルに引き出した。5番手スタートという出走順での今日の結果を考えれば、より後方からのスタートとなる明日はさらなる期待が持てる」

 ラトバラは、朝のステージで発生した水温上昇の問題が解決しただけにトラブルは残念だと語っている。

「最初のステージをスタートした時点でクルマはとても良いフィーリングだったが、その後エンジンの温度が上がり始めた。温度をコントロールすることは可能だったが、パフォーマンスには影響が出てしまった。温度に気をとられ、運転に集中することができなかったよ。その後、デイサービスでチームが問題の解決に尽力してくれたお陰で、午後は状況が良くなった。それだけに、オルタネーターにトラブルが発生しリタイアせざるを得なかったのは残念だ。明日、再出走すれば何ポイントか獲得できる可能性がある。諦めずに戦い続けるよ」

 いっぽう、クラッシュでリタイアとなったラッピは、土曜日には状況が改善することを期待していると語った。

「非常に困難な1日だった。朝はとても残念な遅れがあり、午後は不必要なミスをしてしまった。90度の左コーナーで進入ラインを見誤り、その結果ワイドに滑ってしまいコースから外れたんだ。クルマにはそれほど大きなダメージはなかったが、コースに復帰することはできなかったよ。今日はあまりポジティブではない1日だったが、明日は状況が良くなることを期待する」