WRC2017/08/23

タンナートがジュニアWRC優勝、ソランスWRC3王座

(c)DMACK

 FIAジュニアWRC選手権のADACラリー・ドイッチュランドは、地元ドイツ出身のユリウス・タンナートが初優勝を飾った。

 フォード・フィエスタR2TとDMACKタイヤのワンメイクで争われる今季のジュニアWRC。開幕からの3戦を連続してスペインのニル・ソランスが制したあと、前戦フィンランドではニコラ・シアマンが優勝を飾り、第5戦ドイツを迎えることになった。

 木曜日のスーパーSSでリードしたのは選手権リーダーのソランスが金曜日のドライとウェットのコンディションのなかで首位を快走したものの、雨が激しく降り始めた午後のステージで彼はぶどう畑のステージで石の壁に激突してリタイアとなってしまう。

 これで首位に立ったのは前戦で初優勝を飾ったシアマン。彼はフランスのテリー・フォルブに対して22秒をリードして土曜日を迎えたが、パンツァープラッテで立ち木にクラッシュしてリヤのサスペンションを壊して後退、フォルブも同じステージでクラッシュしたため地元のタンナートが首位に浮上することになった。

 タンナートは初日にクラッシュしたマシンに阻まれてタイムを失った以外に大きなトラブルもなくポディウム圏内につけていたが、ライバルたちが次々とトラブルに見舞われるなか、2位に12分以上の大差をつけてトップでフィニッシュすることになった。これによって彼は選手権においても3位に浮上した。

「母国ラウンドで勝利できて素晴らしい気持ちだ。僕たちはシーズン開始当初からこれを目標としていた」とタンナートは語った。

「僕たちは高速であるだけでなくミスも無くすために、良いアプローチができたと思う。金曜日は難しくタイムも落としたが、土曜日はうまく進み、コンディションをうまくこなすことが出来た」

 初日に壁に激突してリタイアしたソランスが、素晴らしい追い上げを見せて2位を獲得、最終戦の地元ラウンド、ラリー・デ・エスパーニャを残して23ポイントのリードを保持している。また彼はこの結果によって、併催選手権のWRC3でチャンピオンに輝いた。

「難しかったよ。金曜日にコースオフしたのは、僕の失敗だ。あるコーナーで、僕たちは遅すぎたんだ。僕たちはWRC3チャンピオンとなったが、しかし、それは僕たちが一番に勝ちたいと願っている選手権ではない。僕たちは両方の選手権でポイントを取りたかったが、まだスペインでは集中して戦わなければならない。スペインで速く走り、ジュニア選手権に勝つためには、恐らくマシンの何かを変更する必要があるだろう」

 タフな週末を過ごしながも3位となったのはシアマン。彼は金曜日のサスペンション破損に続き、最終日も高速ステージでミスをしてコースアウトしたが、なんとかフィニッシュし、最終的に表彰台を確保した。

 土曜日のクラッシュでリタイアしたフォルブも最終日にリスタート、4つのステージをすべて勝利して4位となっている。