ラリー・イタリア・サルディニアのWRC2は、最終日の大混乱の中、ロベルト・ダプラ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が劇的な初優勝を飾った。
ダプラは、地元開催のラリー・イタリア・サルディニアで最終日に発生した衝撃的な番狂わせを演じの結果、WRC2初優勝を飾った。
ACIチーム・イタリアの24歳の若手ダプラは、最終日を5位からスタートし、優勝どころか表彰台も危うい状況だった。しかし、上位陣の不運が重なり、リーダーボードの順位は一変、思いもよらぬ勝利の扉が開かれた。
初日から首位を走っていたエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRS Rally2)が、2022年のアクロポリス・ラリー以来となるWRC2勝利を目前にしたSS14でブレーキングをミスしてコースオフ、リタイアとなった。
これによりフィンランド出身のラウリ・ヨーナ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が首位に躍り出たが、彼は次のSS15で左リヤタイヤのパンクに見舞われた。さらに表彰台争いに加わっていたカイエタン・カイエタノヴィッチ(トヨタGRヤリスRally2)もSS15で同じ運命を辿った。これでダプラは3位から1位へと躍進したが、ドラマはまだ終わらなかった。
最終ステージを前にダプラとカイエタノヴィッチとの差はわずか4.1秒というまったくわからないものだったが、ダプラは序盤で痛恨のスピンを喫し、リードを失ったかに見えたが、そのあと見事な立ち直りをみせて最後まで果敢なプッシュを続け、5.8秒差で勝利を掴み、オルビアのフィニッシュ地点では歓喜の渦に包まれた。
「ここで初勝利を収めることができ、自分自身とチーム全員を本当に誇りに思う。本当に素晴らしいことだ」とダプラは満面の笑みで語った。「物事がうまく進み、周りに優秀な人材がいれば、結果が必要な時は自然とついてくるものだ。まさに、ここで起こったことだ」
20回目のサルディニア出場となったマルティン・プロコップ(シュコダ・ファビアRS Rally2)はさらに5.1秒差で表彰台に上がり、ヤン・ソランス(トヨタGRヤリスRally2)とロメット・ユルゲンソン(フォード・フィエスタRally2)がトップ5を占め、タイヤトラブルに泣いたヨーナは6位でフィニッシュした。
ダプラはWRC2チャレンジャー選手権でも優勝を飾り、メキシコ人ドライバーのミゲル・グラナドス(シュコダ・ファビアRS Rally2)がWRCマスターズカップに勝利した。