APRC2018/04/19

チームMRF、APRC参戦の休止を表明

(c)Skoda

 2018年FIAアジア-パシフィック・ラリー選手権の開幕まで2週間あまりとなった火曜日、チームMRFは今季のAPRC参戦を見送ることを発表した。

 インドのタイヤ・マニュファクチュアラーであるMRFタイヤがサポートするチームMRFシュコダは、オーストラリアのレーストルク・エンジニアリングがチーム運営を行い、これまでにAPRCでは過去6年連続ドライバーズチャンピオンを含め9つのタイトルを獲得している。

 クリス・アトキンソン(2012年)、ガウラブ・ギル(2013年)、ヤン・コペツキ(2014年)、ポントゥス・ティデマンド(2015年)はシュコダ・ファビアS2000で王者を獲得、ギルはさらにファビアR5を駆って2016-2017年に連続して王者に輝き、コディ・クロッカーがもつ史上最多の4度のタイトル記録に迫ることになった。しかし、チームMRFは今季、これまでの方針を変更してギルとともにWRC数戦に参戦するという。

「ギルのWRC2への参戦の意図は決してAPRCを軽視しているということではない。APRCは素晴らしい選手権であり、過去から現在に至るまで多くのWRCドライバーたちの育成の場となってきた」とその情報筋は語っている。

「MRFタイヤは、多数のヨーロッパ、南アメリカ、そしてアジアの各諸国で販売されている世界的なブランドだ。だから製品とそのパフォーマンスをアピールしていくためにWRC2へ参入していくことは十分理にかなった動向だと言える」

 MRFタイヤは現在WRCでの公認を受けていないため、ギルはWRC2でノミネートできないためポイント獲得できないが、選手権対象外のドライバーとしてWRC数戦に出場する。

 2019以降にはMRFタイヤがWRC公認タイヤ・サプライヤーとなるべく計画はすでに進められているという。

「MRFタイヤにとって、APRCでの16年間を経て、グローバルな舞台へと移行していくのには適切なタイミングということだ。MRFタイヤが今後も支援していくギルにとって、2018年はテストと経験を積むための1年となる」

 今の時点では、ギルがシュコダR5で競技を続けていくのか、あるいはフォード・フィエスタ、ヒュンダイi20、シトロエンC3などを含むその他のR5カーで登場することになるのかはまだ明らかにはなっていないものの、情報筋によると、チーム、クルマそして参戦イベントについては早々に発表が行なわれることになるという。

 また、チームMRFがAPRCから撤退することで、クスコ・レーシング・チームが選手権の中心として活躍していくことになる。クスコ・レーシングは今季、炭山裕矢のファビアR5、マイケル・ヤングが駆るキャロッセ・オリジナル車両のトヨタ・クスコ・ヴィッツ4WDの2台体制で選手権に挑む計画だ。

 APRC第1戦ラリー・オブ・ワンガレイはニュージーランドで5月4〜6日に開催される。